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2017.01.14 10:00

トランプ大統領就任式、大物DJが「問題楽曲」を連発宣言 

モービー (photo by Matt Winkelmeyer / gettyimages)

モービー (photo by Matt Winkelmeyer / gettyimages)

ドナルド・トランプの米国大統領就任式が1月20日に開催される。そこでのプレイを依頼されたDJのモービーは、SNSに皮肉をこめたメッセージを投稿した。
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「ハハハハハ、ちょっと待ってくれよ。ハハハハハ、まじかよ」

自由至上主義者として知られるモービーは、インスタグラムの投稿で出演依頼を受諾する見返りに、トランプが過去の納税情報を明かすことを求めている。また、式典の当日はパブリック・エナミーの楽曲や、シュトックハウゼンのリミックスで共和党員らを楽しませてやると表明している。

動物愛護運動や菜食主義への傾倒で知られるモービーの政治的信条は、トランプのそれとは全く相容れないものと思われる。モービーのファンたちにとって、共和党員らが彼の代表曲「Porcelain」に合わせて踊る光景は、全く想像し難いものに違いない。
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モービーは過去のトランプに対する公開書簡の中で「トランプは人種差別主義者であり、女性たちを貶め、米国のビジネスに膨大な損害を与え、アメリカの歴史が始まって以来最悪の大統領になる」と述べていた。

数十年にのぼるキャリアを誇るモービーは、世界で2,000万枚以上のレコードを売り、グラミー賞候補にのぼることも度々で、電子音楽をメインストリームに押し上げたアーティストとして高く評価されている。彼の人気ぶりにトランプの支持者らが目をつけたことは理解できなくもないが、彼のファンでトランプを支持する者はごくわずかしかいないだろう。

音楽メディアのビルボードは、モービーにアプローチし、彼の仮想プレイリストを公開した。そこにはクラッシュの「アメリカにはうんざりだ(I’m So Bored With The U.S.A.)」や、グリーンデイが“バカなアメリカ人にはなりたくない”と歌う「アメリカン・イディオット」といった楽曲が並んでいる。

当日のラストを飾るのは、ビリー・ホリデイの「奇妙な果実(Strange Fruit)」だという。「南部の木は、奇妙な実を付ける」と歌われるこの曲は1930年代の米国南部の黒人差別をテーマとした歌で、歌詞の“果実”は木に吊るされた黒人の死体を意味しているとされる。

トランプの就任式に関しては数多くの有名アーティストが出演を辞退したことが報道されている。ビーチボーイズやエルトン・ジョンは依頼を断った。出演依頼を受諾したアーティストとしては、ジャッキー・エヴァンコやビッグ&リッチ、モルモンタバナクル合唱団といった名前があがっている。かつてオバマ大統領の誕生を祝ったビヨンセやヨーヨー・マも参加しない。

一方で反トランプを掲げる全米家族計画連盟などの非営利団体は、就任式典の前日に抗議集会の開催を予定している。

編集=上田裕資

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