そのほかヨガについては、子どもが体育の授業だけに参加していた場合に比べ、不安やうつ、疲労感に軽減や改善がみられたとの報告がある。
10年後までにはより多くの研究が行われ、これらの練習を幼児期から行うことが子どもの気分・不安障害の治療にどのように役立つかについて(少なくともその他の治療法の補助的なものとしての効果が)、明らかにされていくだろう。
自己認識と自己調整
マインドフルネスは「自己認識」と密接に関連している(その定義であるともいえる)。そして、その中には自然と、「自己調整」も含まれてくる。つまり、その時々(今この瞬間)における自分の思考プロセスや反応をより明確に自覚できるようになれば、自分の感情や行動をよりコントロールできるようになるということだ。自分自身の内面をコントロールすることを学び始めたばかりの子どもたちにとって、これを実践する方法を学ぶことは大いに役立つと考えられる。
ある研究結果によれば、8週間にわたって週2回の「マインドフル・アウェアネス・プラクティス(MAPs)」を練習した子どもたちは、脳の実行機能が向上した。別の研究では、マインドフルなヨガを練習した子どもたちは、長期間(調査期間は1年)にわたって自己調整能力が向上した状態を維持することができたことが確認されている。
社会性・情緒面の発達
子ども向けのヨガクラスを運営する「ヨガ・フォー・クラスルーム」のリサ・フリン最高経営責任者(CEO)は、「子どもたちの幸福感や回復力が全般的により高くなるとの研究結果は、驚くものではない。(ヨガをする)子どもたちには明確な自己意識がある。そして、自分の周りにいる他者や自分を取り巻く世界とのより深いつながりを持ち、それらを尊重している」と話している。