これらの言葉が使われたことで、同社の株価はこの日、5%以上下落。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の資産は約25億ドル(約2,570億円)減少した。
ただし、同社の第3四半期の決算は、アナリスト予想を大幅に上回る好調ぶりだった。売上高、純利益とも四半期の過去最高を更新している。投資家らは同社に対し、厳しすぎるとはいえないだろうか?アナリストの間には、そう見る向きが多い。
ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)のアナリスト、マーク・マーニーは、「投資家たちがこれらの言葉にこだわるのは理解できる。だが、それが賢いことだとは言えない」と指摘する。
FBは依然としてモバイル広告事業で多額の利益を上げており、過去数年にわたって同事業の売上高は、平均50%の増加を維持。第3四半期の広告事業の売上高は59%増の約68億ドルに上った。また、広告収入にモバイル広告が占める比率は、約85%に増えている。
同社幹部は決算発表時、掲載可能な(ユーザーに見せることができる)広告の量には限度があるとの見解を示した。そして、利益の増加に広告が果たせる役割は縮小していくとも述べた。だが、J.P.モルガン証券のアナリスト、ダグ・アンムスによれば、市場はすでに、広告収入の伸びが2017年、50%から35%に縮小することを見込んでいた。
一方、投資家らはFBが来年、投資を「積極的に」行う方針であることにも注目している。同社は今後もエンジニアや技術の獲得に多額の投資を行う計画だと明らかにしており、現在進めているデータセンターの拡張も続ける。
投資銀行パイパー・ジャフリーのアナリストはFBのこうした方針について、「投資家らの短期的な見通しを曇らせるかもしれない。だが、FBは適切な投資を行っている。2018年以降には間違いなく、その効果が表れるだろう」と話している。
全体として、金融市場はFBの今後の展望について冷静な見通しを維持すると共に、依然として楽観的な見方を保っている。50人のアナリストのうち、同社株を売るべきだとしているのは、わずか2人にとどまる。