日本のゲーム「ダンスダンスレボリューション」で音楽にのめり込んだロビンソンにとって、アニメの脚本を書いて制作できたことはこれまでのキャリアのハイライトでもある。今回のMVやアニメについてインタビューした。
――MVのプレミアは日本で迎えたのか。
そうだ。このMVでの訪日は7~8回目になる。(アニメMVが作られたのは)ダフト・パンクのアルバム「ディスカバリー」のために作ったミュージッククリップ「インターステラ5555」以来のことかもしれない。日本のアニメ制作会社は全体として比較的内向きで、極めて保守的だ。
数年前の僕からしたら、日本のアニメ制作会社と高品質な本物のアニメを作るなんて考えは夢物語だった。MVの脚本は1年ぐらい前に書き上げ、それ以来クランチーロールの協力を得て様々なアニメ制作会社に持ち込んでいた。クランチーロールはネットフリックスのアニメ版のような大人気のアニメ配信サービスだ。
――アニメ制作会社A-1と組むことになった経緯は?
日本企業はかなり保守的だから、一緒に仕事をするのはとても難しい。A-1は大手アニメ制作会社で、企画を持ち込んだ様々な企業の中でも一番お願いしたい企業だった。脚本を手にガチガチで訪問した時は、少しは売り込みもしなきゃと思った。日本企業特有の会議室に通されてお茶を出されて、緊迫した雰囲気があった。
ところが向こうからの質問が始まると「主人公は左利きにすべきか、右利きにすべきか」というような内容だった。脚本を気に入ってくれて、すでにやる気満々だったんだ。自分でも信じられないぐらい深く関わらせてもらえたし、本当の意味でのコラボレーションが実現できた。自分のキャリアで一番楽しかったことかもしれないと心から思っているよ。
――なぜアニメなのか。
日本のエンターテインメント・カルチャーは僕が音楽を始めたきっかけだった。芸術的にもビジュアル的にも音楽的にも独特のテイストがあり、僕にとっては世界一感情に訴えかけてくるものなんだ。最も美しい映像だと思っているのが、「おおかみこどもの雨と雪」というアニメだ。サウンドトラックにもアニメ自体にもストーリーにも、すべてに僕は感動した。
僕にとってアニメと音楽が融合することは、人間として最も感情を刺激されるものなんだと思う。(今回のMVは)たったの7分なのに死ぬほど大変だったけど、来年またできるなら是非やりたい。