中国のスマホメーカー、とりわけシャオミにとってもう一つの大きな追い風は、インドでのECの急成長だ。数年前はブロードバンド環境もなかったが、今はFlipkartやSnapdealのようなサイトがけん引し、インドのEC市場規模は3,000億ドル(約31兆円)とも伝えられる。
シャオミだけでなく、ファーウェイとOppoは中国のECサイトTmallやJD.comなどで数年前からスマホを販売しており、そこで培ったノウハウをインドで応用するのは難しいことではない。
オンラインの強化は、マーケティングや物流・配送コストの軽減につながり、ファーウェイのP9やシャオミのMi5sといったフラッグシップ端末を、アップルやサムスンに比べて比較的安価で売ることも可能になるだろう。
「打倒サムスン」目指す新興メーカー
中国メーカーは移り気と言われるインド人消費者の理解に努め、商品やサービスをインドマーケットに適応させてきた。ソフトウェアをインドのさまざまな言語に対応させ、エンジニアは現地化の取り組みを続けている。また、彼らはソフト面を通じた浸透も図っている。
ファーウェイとGionee(金立)は、インドで大人気のスポーツ、クリケットのプレミアリーグのスポンサーになり、レノボとOppoは活況を呈している映画産業“ボリウッド”に広告を出している。
しかし中国メーカーがこれだけ努力しているにも関わらず、インドのスマホマーケットのトップにいるのはサムスンだ。彼らがサムスンを押しのけるためには、特に品質やブランドの信頼感を向上しなければならない。
MicromaxとIntexのようなインドの現地メーカーも力をつける。5年前に立ち上がった現地メーカーは、地元のアドバンテージを生かしてシェアを獲得している。
インドの人口は増加し続けており、いずれは13億5,000万人の中国を抜いて世界最大になる。中国メーカーが、中間層が台頭しスマホが普及するインドを放っておくはずはないのだ。