候補者討論会の歴史において、記憶に残る(あるいは残るだろう)13の事柄を紹介する。
1. 史上最高の視聴者数を記録したのは、1980年に行われた民主党のジミー・カーター大統領と、共和党のロナルド・レーガン候補の討論会で、約8,020万人がテレビで論戦を見守ったといわれている。だが、調査会社ニールセンによれば、2012年の民主党バラク・オバマ大統領と共和党候補、マサチューセッツ州のミット・ロムニー知事(当時)の討論会の視聴者数は、これを上回っていたかもしれない。1980年が4,580万世帯だったのに対し、2012年は4,620万世帯が討論会をテレビで見たと推計されている。
さらに、9月26日(現地時間)に行われたクリントン対トランプの討論会は、これらの数字をさらに上回った可能性がある。事前の調査ではおよそ3人に1人が、大統領選で誰に投票するか討論会を見て決めると答えているためだ。
2. 2008年の討論会では、テクノロジーが討論をどれほど変えたかが明確に示された。有権者はユーチューブを通じて候補者に直接、質問することができるようになった。前回の大統領選からは、フェイスブックでも質問を受け付けている。また、今回の討論会はユーチューブとツイッターでライブストリーム配信されている。
3. 米国でテレビ放送が開始されたのは1928年7月2日。大統領候補が初めてテレビ番組に出演し、討論を行ったのは1960年のことだった。候補者はマサチューセッツ州のジョン・F・ケネディ上院議員とリチャード・ニクソン副大統領(いずれも当時現職)。最初の討論会で勝利し、大統領に選ばれたのはケネディだった。
4. テレビで放送された最初の討論会は、当時の米国の人口およそ1億8,070万人のうち3人に1人(約6,640万人)以上が視聴した(現在の米国の人口は、約3億2,470万人)。