出世よりやりがい重視の「アンキャリアリスト」にとって必要なこと

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出世第一主義ではない“アンキャリアリスト”は典型的な出世街道やキャリアパスには乗らず、興味の対象や解決すべき課題を追求する。それもまた一つのキャリアの形だが、経済的にはより安定しないことが多く、将来の不透明感もある。

そんなアンキャリアリストにとって、決まった相手と関係を築くことは、人生や仕事との向き合い方に良くも悪くも影響を及ぼす。彼らが職業的、または経済的に困難なとき、配偶者やパートナーの中にはそれに慣れることができない人もいる。

今回、決まった相手がいる複数のアンキャリアリストらに話を聞いてみると、そこには共通点が見られた。彼らもパートナーも、お金には堅実だが、自分たちの財政状況にある程度のリスクを許容している。そしてパートナーたちは彼らを真に深く理解し、仕事に対する姿勢も彼らの一部として支持している。

変化と安定のバランス

カップルの1人(または2人)がアンキャリアリストの場合、生活の基盤を築く上できちんと財政計画を立てることは極めて重要だ。例えばジェニファー・ヒルは「パートナーの経済状況を無視する人も多いが、それではダメ。そこまで理解しなければ」と言う。また「仕事の可能性を探る変化の時期があっても、いずれかの時点でまた“家族”のことは考えなければならない」と話す。

アンキャリアリストとのいい関係を維持するポイントとして、“変化の時期”と“稼ぐ時期”のバランスが挙げられる。つまりは、貯蓄と計画だ。稼ぎの少ない時期に備えつつ、かつそういった時期に適応できることの重要性を意味する。

前述のヒルは、「夫とは共に稼ぎのいい時期に、先の計画を色々と立てておく」と言う。「5年前、どこに住みたいかを考えた。子どもも欲しかった。そこで計画を立て、リスクを取り、あまり稼ぎの良くない時期がきても大丈夫なようにある程度の金額を蓄えておいた。二人とも、目標とその達成期限を決めて、逆算しながら働いている」

別のアンキャリアリスト、ジョーダン・バスチャンはこう振り返る。「私たち夫婦には子どもがいて、私は給与のいい仕事を辞めようとしていた。稼ぎがなくなることに不安を抱いていると、夫がこう言ってくれた。『よく聞け。僕らに十分なお金はないかもしれない。でも生活費はある』と。生活や仕事を変える上でどこを切り詰めるべきか、私たちにははっきりしていました」
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編集=森 美歩

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