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I cover corporate leadership, the boardroom and corporate governance

Photo by Tyler Hicks/Getty Images

危機管理を専門とするコンサルティング会社、英ベリスク・メープルクロフト(Verisk Maplecroft)は先ごろ、「現代の奴隷問題に関するリスク指標」を発表した。同社によると、英国は調査対象の198か国・地域のうち、リスクの強度では187位。悪い結果ではなかった。

だが、それでも英国政府は「現代の奴隷」の問題に関する現状を、ビジネスに関する問題としても人道的な問題としても、「非常に深刻」だとみている。新たに就任したテリーザ・メイ英首相はこの問題について、「人権に関する現代の最も深刻な問題」と指摘する。

およそ一年前、当時内相だったメイは、欧州諸国で初となる「現代奴隷法」を成立させている。

先進国の商習慣が生む奴隷

ベリスク・メープルクロフトの報告書によると、この問題によるリスクが「高い」、または「非常に高い」とみなされる国は198か国・地域のうち115か国に上る。

企業統治の観点からも、この状況は世界各国に「非常警報」を発している。例えば、衣料品の輸出国の上位十数か国のうち、米国とEU(欧州連合)加盟国以外は全て、リスクが「高い」か「非常に高い」。その高リスクの国には、中国(23位)、インド(15位)、パキスタン(9位)が含まれている(かっこ内は現代の奴隷問題に関するリスク度の順位)。

また、サプライチェーンにおけるリスクは数多く報告されており、世界各国の企業が直面する問題だとされている。報告書によれば、各国企業はインドや中国で生産されるモノや原材料に大きく依存しているが、これらの国から調達を行うことは、強制労働に関与してしまう多大なリスクを伴う。

「このリスクは、インドの農業分野や衣料品の製造分野にまん延している。鉱山業での児童の労働力の搾取も頻繁に行われている」

さらに、中国では農業や鉱山、エレクトロニクス産業まで、さまざまな産業分野において若い実習生や見習い職人などからの搾取など、強制労働が行われている。中国だけでなく、アジア各国でも同様の状況がみられる。

編集 = 木内涼子

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