父親の仕事の都合で、8歳まで米国で生まれ育った。その後、日本へ戻り公立学校へ入った、1970年代。日本語がうまく話せない劣等生として、いじめを受けた。必死で勉強して追いつくも、中学に入ってからもいじめは止まなかった。14歳でインターナショナル・スクールへ転校。そこでもまた、6年間を埋めるために英語に追いつくのに苦労した。「今も、日本語も英語も上手く話せない」と桑名は謙遜する。どうすれば多言語、多文化の中で、不自由なく、社会にフィットし、能力を発揮できるようになるのか、それは自分の経験の痛みから来るテーマとなった。
2004年、40歳になったら会社を辞めて事業を起こす、と決めていた夫と共に投資顧問会社を始める。しかし、家族の顧客からは投資の他に教育に関する相談が多かった。自身の長年のテーマともリンクし、12年に始めたのが、未来のグーバルリーダーを育成するプログラム「グローバル・シチズンズ・イニシアチブ」だ。日本の学生もこれまでに8人が参加。特徴的なのは、はじめは自分の意見を言えなかった日本の学生たちは、語りだすとせきを切ったように止まらない。これからは異なる文化、意見を集約し、実行に移す能力が試される時代。日本人からも、世界を率いるリーダーが出てほしい、そう語る。長年身を置いた金融がゴールではなかった。「しかし、それがあったから今、情熱を注げることに巡り合えた」。
Q1 人生で最も辛かった経験は?
中学校2年生の時のいじめ。英語の教師より英語がうまく話せたのがいけなかった?
Q2 ターニングポイントは?
40歳になったら夫婦で事業をしようと決めていた。自由に色々なことができるようになった。
Q3 影響を受けた実在の人物は?
柳井正さん。AからBに行くためにどうするか、コツコツやって、間違えたら軌道修正していくところがすごいと思う。
Q4 原動力となる言葉
「人間として進化し続けること」。
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