サムスンは圧倒的な認知度や販売台数により、法人市場におけるAndroid端末のシェアで首位に立っている。これまではセキュリティが強固なブラックベリーが政府機関などで選ばれるケースが多く、アメリカ議会も職員に対してブラックベリー端末を配布してきた。しかし、同社が端末の製造から撤退することを受けて、議会はブラックベリーの配布を停止するとの通達を職員に出した。これはサムスンにとっては朗報だ。ブラックベリーはソフトウェア企業として生き残ろうとしているが、前途は多難だ。
サムスンにとっては強敵が去り、法人市場で最大シェアを誇るアップルの追撃に全力を挙げはじめている。
カギは「セキュリティの信頼度」
しかし、その実現のためにサムスンはセキュリティの信頼度を向上する必要がある。テックプロリサーチが行った調査によると、法人市場でのシェアでサムスンはアップルに肉薄しているものの、セキュリティに対する信頼度では水をあけられている。タブレット端末のセキュリティについて「とても良い」か「素晴らしい」と評価した回答者の割合は、アップルが46%に対し、サムスンは30%だった。同様にスマートフォンについては、アップルの51%に対し、サムスンは30%だった。
サムスンは間もなくローンチする最新ファブレット「Galaxy Note」に虹彩認証を搭載するなど、セキュリティの強固さを前面に打ち出そうとしている。サムスンはGalaxy Noteのビジネスシーンで役立つ機能をアピールし、法人市場でのシェア拡大を狙うに違いない。企業はセキュリティが強固で価格も手頃な端末を求めている。サムスンがセキュリティの信頼度を高めることができれば、iPhoneやiPadに比べて割安な価格設定が武器となり、企業にとっては魅力的な選択肢となるだろう。