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Twilio共同創業者兼CEOのジェフ・ローソン(John Phillips/Getty Images)

しばらくご無沙汰だったテック系企業のIPOが、やっと行なわれそうだ。

クラウド通信のTwilio(トゥイリオ)が上場に向けて米証券取引委員会(SEC)に登録届出書を提出した。2016年にIPO申請したテック企業は4社目で、これまでにデル傘下のセキュアワークスが4月に、アカシアコミュニケーションズが5月上旬に上場、そして近日上場予定のナントヘルスが公募価格を12ドル50セントとすることを発表している。

ウーバーなどの大企業でも採用

Twilioが提供するのは、開発者がアプリに組み込めるテキストメッセージ、音声通話やビデオ通話などのサービスだ。シリコンバレーの一流企業も採用しており、ウーバーやZendesk、オープンテーブル、Boxも顧客だ。Twilioによると2016年3月末の時点で180か国の90万人が開発者として登録している。

Twilioは2008年に設立され、従業員は400人を超えている。創業者でCEOを務めるのはジェフ・ローソン(Jeff Lawson)で、これまでクラウドコンピューティングを提供するアマゾンウェブサービス(AWS)の初期のプロダクトマネージャーを務めたほか、スポーツ用品小売業ナインスターを立ち上げた。

届出によると同社は1億ドル(約101億円)を調達する計画で、ニューヨーク証券取引所に上場する。

Twilioは近年、大幅に業績を伸ばしており、2013年以降は売上が毎年ほぼ倍増している。2015年の売上は1億6,700万ドル(約184億円)で、前年の8,900万ドル(約98億円)の倍近くだ。2016年の第1四半期の売上については、前年同期の3,300万ドル(約36億円)から5,900万ドル(約65億円)に伸ばしている。

同社は2015年、3,550万ドル(約39億円)の純損失を計上した。だが2015年の粗利益は9,200万ドル(約101億円)で、2016年第1四半期は3,250万ドル(約36億円)としている。

今後は海外に顧客を広げて売上を伸ばしたいようだが、これはリスクともとらえられる。Twilioは届出の中で「海外の顧客から得られる粗利益は通常、アメリカ国内の顧客から得られる粗利益よりも低くなる。それには海外事業の拡大コストだけでなく、一般的にアメリカよりも高い海外プロバイダーへの支払いが影響している。そのため海外事業の拡大に伴い、粗利益に影響や変動が出ることがある」と説明している。

さらにフェイスブック傘下のメッセージアプリWhatsAppが同社の売上に大きく貢献していることも認めた。WhatsAppではユーザーの確認プロセスでTwilioを採用しており、2015年の同社の売上の17%をWhatsAppが占めた。WhatsAppとの関係にひびが入れば、大きな影響が出ることは避けられない。

編集=上田裕資

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