アマゾンのエコーは予想外のヒットとなり、先週はグーグルも競合製品のグーグル・ホームを今夏リリース予定であると発表した。
リビングルームでの覇権をアマゾンから奪取
アップルのスマートスピーカーも基本的には同様な機能を持つ。マイクで声を拾い、アップルミュージックでの楽曲再生やタイマーの設定、注目ニュースの再生などを行なう。さらに、アップル独自のスマートホーム規格であるHomeKitのガジェットとも連携する。将来的には Siri向けのSDKを用いて開発されたソフトにより、さらに多様な機能を持つと見込まれる。
2011年にSiri を公開したアップルは音声アシスタント分野にいち早く参入した企業の一つだった。しかし、その後はアマゾンがこの分野で猛追。2014年に発表したアマゾン・エコーは米国の家庭のリビングルームに普及した。アマゾンはAlexaの外部企業との連携を加速させ、パンドラやスポティファイの楽曲再生や、ドミノピザの注文、ウーバーの配車といった利用を促進した。
Alexaはスマートホーム分野で存在感を増し、照明や室温感知デバイス、送風機等のメーカーらは先を争って、アマゾンの開発者プログラムに加わる状況を生んでいた。
一方でアップルは Siriの機能改善において大きく遅れをとったと言える。2011年のローンチ以来、Siriの活用は電話をかける、テキストメッセージを送る、天気を尋ねるといったシンプルなものに留まっている。開発を外部のアプリ開発者らにオープン化することで、劇的な機能改善が期待できそうだ。
Informationの報道によると、アップルはアマゾンがエコーを公開した少し前からスマートスピーカーの開発に着手していたという。
しかし、アマゾン・エコーは一部で高く評価されてはいるものの、まだ完全にマスプロダクトに成長したとは言い難い。調査機関の推測では、アマゾンはこの製品を既に約300万台販売しており、この分野への取り組みをさらに活性化させる構えだ。アマゾンは3月に外部スピーカーと接続可能な「Echo Dot」、ポータブル版の「Amazon Tap」を発表していた。