屋内農業に取り組む事業者は世界で増加傾向にあり、例えばベルリンでは店内に「垂直農園」を設置しているスーパーマーケットがある。
スプレッド社は野菜工場のオペレーションの一部を自動化し、一部で「世界初のロボット農園」とも形容されている(ここでいう「ロボット」とは、自動で作業を行う機械の総称のこと)。
現在、スプレッドは大規模な新工場の建設を京都府のけいはんな学研都市(関西文化学術研究都市)で計画しており、2017年の稼働を予定している。同社は将来的に1日当たり3万個のレタスを栽培できる工場を日本に20から30か所建設し、年間最大3億2,850万個のレタスの出荷を計画している。
20億円を投じ新工場を建設予定
スプレッドは新工場の計画と設計に2年半を費やし、年内の建設開始を予定している。新工場にはR&Dセンターが併設される予定で、建設費は総額で16億から20億円にのぼるという。計画では7~9年で投資回収ができる見込みだ。
工場の収益性の鍵を握るのは、規模の拡大とテクノロジーの活用だ。大半の作業をロボットが担い、光合成に必要な光はLED照明が供給し、土を必要としない水耕栽培で野菜を育てている。
「我々の新工場は、自動化されていない現在稼動している自社工場に比べて半分の人員で済む。作業の大半を機械やロボットが行うことで生産効率が大幅に高まります。ほかにも水を節約するテクノロジーや、農薬を使用しない栽培を導入します」とスプレッドでグローバル・マーケティングマネジャーを務めるJ.J.プライスは話す。