ただ、クリントンには別の問題がもう一つある。ジョージア州ではアフリカ系市民の人口が急増しており、この人たちの大半はクリントン支持のはずだ。しかし、それでもこの州でトランプに1ポイント以上の差を付けられないのはなぜだろうか?
情勢はまだ予測不可能、だからこそ─
これらはすべて、2016年の大統領選を一層興味深いものにしている。これまでのところ、情勢の予測は困難だったし、当面はその状況が続きそうだ。クリントンもトランプも、気が遠くなるほどの課題に直面している。
トランプは傷つけた人たちの心を癒さなくてはならない。だが、トランプがみせる威勢のよさは、共和党をひとつにまとめる必要がないことを示しているのかもしれない(実際、まとめない可能性もある)。ただし、それでもどこかから、支持してくれる人たちを探し出してこなくてはならない。
クリントンは「信頼」の点で問題を解消できずにいる。既成政治の旗手でもあることは、今回の選挙戦では必ずしも利点とはいえないだろう。ただ、これから新たに発表される世論調査の結果は、トランプよりもクリントンにとって、厳しい知らせになりそうに思える。