その教授とは、上海交通大学高級金融学院副院長のジュー・ニン(朱寧)氏。最近の著書『中国の避けられないバブル:政府はどのように中国経済を行き詰まらせたか』で、中国政府が迅速な対応をしなければ、経済は破局的な結末を迎えると警告した。
ジュー教授は「現在はもはや中国バブルが弾けるかどうかを議論している場合では無い。バブルは必ず弾ける。問題はそれがいつになるかだ。私は海外の投資家にも金融システム上のリスクについて警告したい」と述べた。
著書では中国で2015年前半に住宅バブルと株価急騰を引き起こした政府の無能ぶりや、長期的視野を持たず、盲目的に高度成長を追求する地方政府の問題点も指摘している。ジュー教授は、政府保証が中国の経済バブルを深刻化させているが、指導者層はそのリスクの大きさについて認識が乏しいままだと主張し、「中国政府は国有企業への低金利融資等の保証を段階的に廃止すべきだ」と述べている。
ジュー教授によると、政府高官は経済改革について口では言い始めたものの、この数年で意味のある改革はできておらず、問題と真剣に向き合っていないという。
「私は楽観主義者ではない。現実に沿って、改革の必要性を訴えたい。改革なしではこの国は立ち行かなくなるだろう。中国の課題は複雑に絡み合っており、改革は困難を極める。それは、言わば爆弾処理のような危険な任務だ」