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I cover business and investing in emerging markets.

プーチン大統領(Photo by Mikhail Svetlov/Getty Images)

メディア関連の事業を興すためにウクライナで資金を調達するなら、まず真っ向からロシアを攻撃することだ。きっと欧米各国の政府が、すぐに出資してくれるだろう。

ウクライナのインターネットテレビ局「Hromadske(フロマツケ)TV」は、ロシアと欧米各国の情報戦争を象徴する存在だ。そして、欧米側によればこの“戦い”は今のところ、ロシアが優勢だ。そのため欧米各国の政府機関や団体は、このテレビ局に資金を提供し、支援を行っている。

先ごろ公表された同社の2015年度の財務報告書によると、出資者は外国の複数の民間団体や企業、それに政府機関だ。米国、オランダ、ドイツの在ウクライナ大使館、カナダとスイスの国際開発関連の政府組織、カナダの慈善団体、米首都ワシントンに拠点を置くNGO「パクト・ワールド」 、カリフォルニア州を本拠とする「インターニュース・ネットワーク」、そしてトムソン財団などだ。eBay創設者のピエール・オミダイアが立ち上げた財団も、巨額の支援を行っている。

その中でも最大の出資者は、駐ウクライナ欧州連合(EU)代表部だ。反ロシアのニュースを報じるHromadske TVに、EUが資金を提供している事実は特に興味深い。

このニュースサイトは、43歳のウクライナ人ジャーナリスト、ローマン・スクレピンが2013年、当時のビクトル・ヤヌコビッチ大統領の退陣を求める親欧米派「ユーロマイダン」の活動が過熱する中で創設した。欧米寄り見解を中心にニュースを配信する同サイトは運営開始から1年で、広く人気を集めるようになった。

メディアと出資者の関係

ユーロマイダンのデモ活動は、EUとの連合協定への調印を棚上げしたヤヌコビッチへの抗議に端を発したものだった。ヤヌコビッチは調印を見送る“見返り”としてロシアからの支援を獲得したが、ウクライナ国民の多くはこれを、国家主権を否定するものと受け取った。2014年2月にヤヌコビッチが退陣に追い込まれると、新たに樹立されたのは親欧米派の政権だった。

米英独3か国は、ロシアのテレビ局がウクライナやその他各国の世論に及ぼす影響に警鐘を鳴らしている。一方で、プーチンに批判的な米ニュース評論サイト「デイリー・ビースト(The Daily Beast)」は、ロシア国営のニュース専門局「ロシア・トゥデイ(RT)」には、同国側が主張するほどの大きな影響力はないと指摘している。

当然ながら、ロシア政府も例えば米CIAも、支援したいと思う組織に資金を提供する。そして、政府が外国の組織・団体に向けた支出について完全な透明性を持たない限り、「各国政府は世論に“公式な”見解を伝えるため、平等な投資を行っている」と言っておくのが安全だ。

Hromadske.TVは、ひとつの例に過ぎない。米国でニュースを視聴する人たちは恐らく、ハフィントン・ポストがロシアのシンクタンクから資金援助を受けたことがあると聞けば、嫌悪感を持つだろう。論説にあからさまにその影響を受けることはないかもしれないが、ジャーナリストたちやニュース編集部は、自己検閲を行うものだ。さらに、メディアの経営状態は苦しさを増している。

資金を提供してくれる人を、本当に厳しく批判することはできるだろうか。Hromadske.TVが日々取り上げるニュースを見る限り、彼らにそれはできないようだ。

編集=木内涼子

 

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