「私がシンガポールの教育を使って日本を外から揺さぶります!」ー田村耕太郎

国立シンガポール大学リークワンユー公共政策大学院 兼任教授 田村耕太郎氏(写真:藤井さおり)


シンガポールのインターナショナルスクールや塾では、こうした最先端の教育を子どもに強要するのではなく、幼児心理学や認知神経学に基づいて、子どもが好奇心を持って遊びながら習得できるように工夫しているのが主流です。

たとえば私の娘は、レゴでロボットを作り、そのロボットを動かすためのコーディングを自分で書き上げるトレーニングをゲーム形式で遊びながら塾で学んでいます。楽しくてしようがないので、その塾に行く日を指折り数えて待っていますし、朝起きたら自分で勝手に練習しています。

また、自分の特性を幼児期に自覚させるのも一つの特徴。日本では大学生が就職間近になって自分の適性診断を受けたり、何がやりたいか考え始めたりする場合がほとんどだと思います。私もそうでした。

しかし、シンガポールで娘が通う塾では、9歳くらいから最新のプロファイリング技術を使って、子供たちは自らが、どんな適性があるのか知っていきます。そして自らがなりたいものと自らの適性を比較して、小さいころから科学的データとともに自分と向き合いながら教師と一緒に各自の人生を考えさせます。小学生のころから自分が本当にやりたいことや科学が割り出してくれる自分の特性や強みを考えていくことはとても有意義だと思って、感心して見ています。

谷本:非常に興味深いですね。日本ではそうした教育を実現するのはまだまだ先になりそうでしょうか。

田村:私が持ってきますよ(笑)。すでに動きは始まっています。日本で次世代を育てる素晴らしい企業さんとシンガポールの先端教育がコラボして日本で今言ったような教育が始まります。

一方で、世界を見ている起業家やファミリー企業のオーナーたちは、前述の私が国立シンガポール大学で開催しているエグゼクティブプログラムに来てアジアを学び、そのうえでアジアに自ら家族ともども出てこられて、事業もお子さんも21世紀対応されている方もたくさんいます。これらシンガポールの超一流の教育の力を使って外から日本に揺さぶりをかけていきます(笑)。こうご期待!

田村耕太郎◎The Keys Academyアドバイザー、国立シンガポール大学リークワンユー公共政策大学院 兼任教授、Milken Instituteシニアフェロー。元参議院議員、元内閣府大臣政務官(経済財政政策担当、金融担当)、元参議院国土交通委員長。早稲田大学卒業、慶応大学大学院修了(MBA取得)、米デューク大学ロースクール修了(証券規制・会社法専攻)(法学修士号取得)、エール大学大学院修了(国際経済学科及び開発経済学科)経済学修士号、米オックスフォード大学上級管理者養成プログラム修了。

構成=吉田彩乃 編集=谷本有香 衣装協力(谷本)=HIROKO KOSHINO PREMIER

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