少なくとも現段階では、フェイスブックはボットの広告利用を望ましい行為とは思っていない。しかし、フェラーは次のようにも述べた。
「例えば、航空会社のボットから予約確認の連絡を受けとったとします。その際に、航空会社は旅先のホテルを勧めてくるかもしれません。これは販促行為であり、私たちはそのような目的のためにボットを構築したわけではありません。しかし、一般的に考えれば、このような事態はおこりうるであろうと想像できます」
フェラーはこのホテルの例のような、販促的なメッセージが増加すれば、同社はさらに課金を行う用意があると述べた。しかし、企業がそのメッセージは広告ではないと主張し、支払いを避けようとする可能性も出てくるだろう。
広告ボットで収益を狙う企業も
メッセンジャー向けにボット開発を行う企業の中には、広告メッセージで収益化を目論むグループも居る。ニューヨークのスタートアップ企業Betaworksは4月12日、Ponchoというメッセンジャー・プラットフォームを開始した。
Ponchoは米国内のフェイスブックユーザーに向けた天気情報ボットで、1日に2回ウィットに富んだコメントで天気情報を伝える。情報は同社で働く8人のライターが更新し、最新のエンタメニュースなどのトピックも伝えている。
最近、Ponchoの天気情報アプリでは、その日の天気にあわせ、GE社の製品が告知されている。しかし、同社の最高責任者サム・マンデル(Sam Mandel)は「広告コンテンツの配信は慎重に行っていきたい」と述べる。
「私たちは、Ponchoを友人のように思って欲しいと思っています。あまり商業的になるのは避けたいことです。メッセンジャーはそもそも、個人的な会話を行う場所なのですから」とマンデルは述べた。