政府の中には、オリバーの活動は「押しつけがましく不愉快だ」との批判の声もあった。しかし、ジョージ・オズボーン財務相が16日に発表した予算案には、砂糖税の導入が含まれていた。わずかな期間に政府内で、何かが変化したようだ。新たに導入される税制の下、飲料には含有される砂糖の量に応じた税率が課される。
税率は約355ml当たり17.7g以上の砂糖が含まれている場合と、28g以上の場合の2段階に分けられる。これにより、例えばコカ・コーラは約12セント(約14円)値上がりすることになるとみられている。
わずかな違いのようではあるが、消費者にも影響はあるだろう。砂糖税は低所得層への打撃が最も大きいとされている。また、健康にどのような好影響があるかについては、今後激しい議論が展開されることになるだろう。砂糖税の対象には、栄養ドリンクやスムージーの一部も含まれるとみられている。
英政府が「砂糖税」の導入を否定して以来、オリバーは自ら経営するレストランで独自の制度を導入。砂糖を加えて作る飲み物一杯につき、約15セントの追加料金を徴収してきた。そして、政府には炭酸飲料に約10ペンスの砂糖税を課すことを求めていた。
「砂糖税」に対する各国の対応
メキシコは「ソーダ税」を導入している。議論を呼んだものの、成功しているとの評価が大半だ。
米国ではカリフォルニア州のバークレーが他の都市に先駆けて同様の税制を採用した。バークレーでは、飲料業界が約230万ドル(約2億5,600万円)を費やして導入の阻止を図ったという。一方、より影響力の強い大都市のサンフランシスコでは、さらに多額の金がこうした活動に投じられ、ソーダ税の導入は見送られた。米国内のその他の主要都市でも今後、同様の動きがみられるかもしれない。