マイクロソフト AIで予測のキーボードアプリSwiftKeyを買収

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人工知能(AI)技術の開発に力を入れるマイクロソフトはこのほど、入力予測アプリ「スウィフトキー(SwiftKey)」を推定2億5,000万ドル(約288億4,300万円)で買収した。情報筋によると、2年ほど前にはフェイスブックが同社の買収を検討していたという。

スウィフトキーは、ロンドンに拠点を置く2008年創業のスタートアップ。従業員は150人ほどで、イギリスの著名な理論物理学者スティーブン・ホーキング博士の車いす向けに言語ソフトを開発したことでも知られる。

マイクロソフトは同社のテクノロジーを自社のWindows Phone向けキーボード「ワードフロー(Word Flow)」に採用する方針だ。そのほか、機械学習技術の向上にも、スウィフトキーのAI技術を活用したい考え。同様に、Windows Phone向けパーソナルアシスタント「コルタナ(Cortana)」の開発にも、スウィフトキーのAI技術を積極的に活用していくものとみられる。

シリコンバレ―では、言語や音声認識に関連するソフトウェアがますます重要視されるようになっている。自然言語処理は、人間が日常的に使用する言語を学習し、予測させる技術だ。マイクロソフトは音声認識機能を使ったTo Do(やること)リストアプリの「ワンダーリスト(WunderList)」なども買収している。また、フェイスブックは今年1月、アプリ開発者向けの音声認識機能を提供してきたサンフランシスコのスタートアップ、「ウィット・ドット・エー・アイ(Wit.ai)」を買収した。

スウィフトキーは、フォーブスの「30アンダー30」(30歳以下の30名)リストにも選出されたケンブリッジ大学の卒業生、ジョン・レイノルズがベン・メドロックと共同で創業。スマートフォンに最も多く入力される言葉を学習し、入力される文字を予測するアプリを開発してきた。当初はそのアプリの販売やサムスンやブラックベリーへの技術提供で利益を上げたが、2014年にはアップルも、スウィフトキーをiOSに採用した。

編集 = 木内涼子

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