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by marin.tomic / Getty Images

香港のフィンテック(金融IT)のスタートアップ企業、ウィラボ(WeLab)が先ごろ、同地のスタートアップとしては最高額となる1億6,000万ドル(約188億円)の資金調達に成功した。同社は評価額10億ドル以上が基準とされるユニコーンの仲間入りも間近とみられる。

ウィラボの好調な業績は、データ集約型のオンライン融資モデルをはじめとする同社の画期的な事業モデルがいかに魅力的なものであるかを裏付けるものだ。しかし、数多くの大富豪や不動産王が存在することで知られる香港はこれまで、小規模な新興企業に投資しようする気運の高まりに欠けていた。

その香港が特別行政区政府を挙げて、フィンテックからバイオテクノロジー、IoTからデータ分析まで、スタートアップのハブとしての認知度を上げようと積極的に取り組んでいる。数年前にはほとんど存在しなかったスタートアップ企業向けのエコシステムにも成長がみられ、現在では10を数えるアクセレレーターとインキュベーターが支援を行っているほか、共同で使用できるオフィススペースが34か所設置された。スタートアップ企業数はこの間に46%増加し、合計1,500社を越えている。

香港政府もまた、支援に向けた新施策を打ち出してきている。2億5,000万ドル(約297億円)規模の基金を創設したほか、中国本土にある国立の技術研究所との協力体制の構築に1,300万ドルを充当する方針だ。

こうした政府主導の支援が実際に功を奏するのかどうか、まだ結論は出ていない。シンガポールは10年ほど前からこうした取り組みを行ってきたが、期待した結果は得られていない。インドでもテクノロジー産業の成長促進を目指した政府系ファンドが立ち上げられたものの、同国にはすでに中小企業向けのベンチャーファンドがあり、政府支援を緊急に必要とする状況ではない。「シリコン・タイガー」とも呼ばれるインドには、いくつものユニコーン企業がある。

ウィラボは以前にも、セコイア・キャピタルと李嘉誠率いるTom集団から2,000万ドルを調達していた。だが、マレーシアの国営投資会社カザナ・ナショナルと中国広東省の国営金融会社、蘭ING銀行が新たに同社への投資を決めたことは、注目に値する。

編集 = 木内涼子

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