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Pressmaster / shutterstock

ベンチャー・キャピタル(VC)の世界でパラダイム・シフトが始まっている。2015年、VCは全世界で7,872案件に対して、合計1,285億ドル(約15兆円)を投資した。この金額は前年比で44%増であり、ドットコム・バブル時代の2000年以来最も多い。

ほとんどの投資は、1案件当たり1億ドルを超えるようないわゆる”メガディール”に向けられており、かつ投資先も、ウーバーのような成熟したスタートアップに集中していたのが昨年の特徴だ。こうしたメガディール狂想曲の結果、レイトステージの企業やIPO直前・直後の企業向けの投資案件は飽和状態となっており、VCではいま、いかに新しいアイデアで投資を行うかの模索を始めたところである。

VCの世界ではまた、イノベーション分野に関する大転換も起きつつある。一昔前のイノベーションと言えば、ソーシャル・コネクティビティがテーマであった。具体的には、ソーシャル・ネットワーキング、シェアリング・エコノミー、そうしたことを支えるインフラ(クラウド・コンピューティング、モノのインターネット、モバイル・コマース)などである。

しかし、次の世代のテーマとしてすでに期待が高まっているのが、”人とマシンのコネクティビティ”である。すなわち、デジタル・ヘルス、人工知能、生産性管理、そしてもちろん、これらを支えるインフラとセキュリティをめぐるイノベーションに注目が集まりつつあるのだ。

起業家や大学、主要な集積地はすでにこうしたパラダイム・シフトに対応している。世界中で新しいセンター・オブ・エクセレンス(中核的研究拠点)が生まれ、その周辺にはビジョンを持つアントレプレナーを支援するエコシステムができあがりつつある。

たとえば、ジョージア州アトランタではすでにそうしたエコシステムが活発に機能している。ジョージア工科大学は優秀なエンジニアを輩出し、センサー技術などの分野で最先端の研究を行っている。エモリー大学も医療技術のイノベーションを生み出している。そして、Advanced Technology Development Center(ATDC)、Atlanta Tech Village(ATV)、NeuroLaunchといったインキュベーターがアーリーステージのアントレプレナーを支えている。

こうした強みに加えて、生活費の安さ、交通の要所であるという立地条件などにより、アトランタはいまやサイバー・セキュリティやデジタル・ヘルスのスタートアップ企業にとって最適の都市となっている。

カナダでは、トロント大都市圏・ウォータールー・ハミルトン地域で、人工知能、デジタル・ヘルス、サイバー・セキュリティが盛り上がりをみせている。トロント大学、マクマスター大学(ハミルトン)、ウォータールー大学といったトップ大学が優秀なエンジニアと知的財産を広範な分野で生み出している。

アントレプレナーたちは、MaRS Innovation、Communitech、The Forgeといったインキュベーターから活気に満ちた職場やサポートを受けている。政府の各種プログラム、生活費の安さも、スタートアップ企業・大企業を問わず、カナダで仕事をするインセンティブになっている。こうした様々な価値が組み合わさって、この地域は起業家誘致に強い競争力を誇っている。

南カリフォルニアの、オレンジ・カウンティからサンディエゴ、ロサンゼルス・テクノロジー・エリアまでを包括する地域(いわゆる”シリコンビーチ”)は、デジタル・ヘルス、バイオテック、デジタル・エンターテインメント分野で強みを発揮し始めている。モバイル・コマース、サイバー・セキュリティ、人工知能分野にも強みがあり、多数のアントレプレナーが新しいアイデアに賭けている。

センサーの普及、バーチャル・リアリティへの関心の高まりもあり、まるでSFを現実化しようとしているかのようなスタートアップ企業も少なくない。南カリフォルニア大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校は連日のように優れた人材と知財を輩出している。2016年はこの地域からの大きなイノベーションに注目だ。

そしてもちろん、インド、中国、イスラエルは世界で最もイノベーションが起きている国で、これからも素晴らしいアイデアや企業を生み出し続けるだろう。2015年、VCはインド企業に90億ドル以上、中国に400億ドル近く、そしてイスラエルに36億ドルの投資をしている。

こうしたパラダイム・シフトを受けて、一部のVCでは長期的な投資戦略を打ち出し、次のビッグアイデアを模索する時期に入っている。2016年のVC投資額は総額では前年並みとはならないかもしれないが、アーリーステージ向けの投資は大きく増加する見通しだ。シリコンバレーの外から注目企業が現れる可能性も高い。ゼロから始めようとするアントレプレナーにとって、2016年はチャンスの大きな年になりそうだ。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

 

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