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frank_peters / shutterstock

のっけから恐縮だが、「クライム・ウェーヴ(犯罪の急増)」という表現では生ぬるすぎたかもしれない。サイバー犯罪対策として企業が負担を余儀なくされているコストの急激な増加を考えたなら、「エピデミック(伝染病の蔓延なみの猛ペース)」という言葉こそがふさわしそうだ。IBMのバージニア・ロメッティ会長兼社長兼CEOが先ごろ述べたように、サイバー犯罪は世界中のあらゆる企業にとっての最大の脅威になってきているからだ。

今から3年前の2013年、ウォールストリートジャーナル紙は米国におけるサイバー犯罪対策コストを1,000億ドル(約11兆8600億円)前後と推計した。この数字は、その10倍もの高い金額を打ち出していた各種レポートに異議を唱えての見積もりであった。

そして2015年、英国の保険会社ロイズは、サイバー攻撃が経済界に年間4,000億ドルもの負担をもたらしているとの推計を発表した。これは、直接的な損害だけでなく、攻撃による混乱を経て企業活動に及ぶ損失も含んだ額である。また、ベンダーやメディアによっては、2015年中のサイバー犯罪の被害額を5,000億ドル以上と推定しているところもある。

つまり2013年から2015年までに、サイバー犯罪対策コストは4倍にも跳ね上がったということだ。そしてどうやら、2015年から2019年にかけてそのコストはさらに4倍に跳ね上がりそうだ。

英国の調査会社ジュニパーリサーチが先ごろ発表した予測によれば、消費者と企業の双方に急速なデジタル化の波が及んでいることにより、データ漏洩対応のためのコストが2019年には全世界で2兆1,000億ドル(約248兆円)と、2015年の推計額の4倍近くにもなることが見込まれているのだ。

世界経済フォーラム(WEF)によれば、かなりのサイバー犯罪が気づかないままとなっており、中でも機密書類や機密データへのアクセスは発見が困難であることから、産業スパイ行為の探知率はとりわけ低水準だという。そうした犯罪がサイバー犯罪全体の件数を大きく増加させることはほぼ疑いのないところだ。

大手の銀行や小売業界、そして連邦政府の関係機関がハッキング被害を公表する事例が目につくが、危険にさらされているのは大企業だけではない。マイクロソフトによれば、中小企業の20%がサイバー犯罪の標的になっているのだという。

サイバー犯罪による自社の被害がどれほどの額になるのかを知りたい場合には、米コンサルティング会社ブーズ・アレン・ハミルトンが提供している「Cyber Tab」が便利だ。これは無料かつ匿名で利用することができ、幹部らにサイバー攻撃がもたらす被害を示すのにも役立つツールだ。また、イタリアDF Labs社が公表したレポートも、支店ごとの対策費用を考えるうえで助けになる。

サイバー犯罪には、サイバーセキュリティ市場を拡大させる側面もあり、こちらも2015年の750億ドルから2020年には1750億ドルにまで成長することが見込まれている。そしてサイバー保険市場も同じく拡大の流れにあり、2015年の25億ドルから2020年には75億ドルに到達すると考えられている。

編集=Forbes JAPAN 編集部

 

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