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2016.02.29 10:31

進む雇用の多様化、女性が生き残るには?

女性活用ジャーナリストの中野円佳氏(photograph by Akina Okada)

女性活用ジャーナリストの中野円佳氏(photograph by Akina Okada)

育児中の女性の間で、限られた時間を活用して働き続けようという動きが広がり始めた。こうしたニーズに細かく対応するサービスも登場し、働き方の多様化が進んでいる。

「労働時間が他の正社員より短くても、能力を発揮して企業に貢献できる女性を評価する機運が高まっており、出産後に退職したとしても、仕事に復帰しやすい環境が整いつつあります」と話すのは、女性活用ジャーナリストの中野円佳氏だ。中野氏自身、第1子出産当時は日本経済新聞社に記者として勤務。出産前は長時間労働も厭わずに働いた。その後、2015年5月に企業変革パートナーのChange WAVE(チェンジ・ウェーブ)に参画。現在も2児の子育てに追われながら仕事を続ける。

「定時に帰るけれど、自分の得意分野を生かして会社に貢献できれば仕事の満足度を高めることができます」

中野氏が体現するように、スキルを生かして子育ての合間に働き、社会と接点を持ち続ける—そんな働き方が、子育て世代に広がっている。企業もこうしたニーズを捉えたサービスに参入しており、人材市場は活況だ。

人材派遣のWaris(ワリス)は、専門職をターゲットにサービスを展開。募集職種には「データサイエンティスト」や「M&Aコンサルタント」など、高度な専門知識を要するものが並ぶ。フルタイムでは働くことはできないが、「週3日」「1日4時間」と、限られた時間で働けるのに加え、高時給なのも魅力だ。

「中途採用では採りづらい優秀な人材を月額20万円で活用できる」。Waris同様、専門職の女性をねらった人材サイト「時短エグゼ」はこう謳う。企業側にとっては、高いスキルを持った人材を低コストで雇えるメリットがある。

人口減少で労働市場が縮小する中、働き方の多様化が進む。こうした中で、高度なスキルを“切り売り”する雇用形態も広がりそうだ。


なかの・まどか◎女性活用ジャーナリスト。2007年東京大学教育学部卒業後、日本経済新聞社入社。15年4月に企業変革パートナーのChangeWAVEに参画。

文 = フォーブスジャパン編集部

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