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Scott Legato / Getty Images

電気自動車で脚光を浴びたテスラモーターズに圧勝する自動車メーカーが出てくるとすれば、それはメルセデスベンツでもアウディでもない。ましてやアップルやEVベンチャーのファラデー・フューチャーなどでもなく・・・シボレーこそが、その有力な候補になるだろう。

一時期は望み薄とささやかれていた電気自動車のボルト(Bolt)がその後急速にペースを速め、デトロイトの北米国際自動車ショー(NAIAS2016)でその全貌をあらわした。今年初頭にラスべガスで開催された国際家電見本市CES2016でお披露目され、その後1月下旬まで開かれているNAIAS2016で注目の的となり、年末には発売される見込みとなっている。ちょうど1年前の同ショーではコンセプトの段階でしかなかったことを考えれば、かなりの急展開だ。

そのボルトは、米国人が持つ完全電気自動車への固定観念を覆すクルマになりそうだ。200マイル(約322km)前後という飛び抜けた航続距離と、政府の補助金を考慮すれば約3万ドル(約351万円)という競争力のある価格で、電気自動車が伸び悩む2大要因を見事にカバー。これなら、たとえガソリン安が年末まで続いたとしても、ゲームチェンジャーとしてのこのクルマの座は揺るがないかもしれない。

テスラが開発を進めているモデル3も、目指すところはボルトと同じだ。ところが、盛んに宣伝され、長らく待ち望まれている低価格セダンについて、テスラのイーロン・マスクCEOは先ごろ「あと2年ほど待ってもらわねばならない」と発表した。テスラには、3年以上前にコンセプトを公開し、同じく待望視されているSUVタイプのモデルXの大量生産という優先目標があるからだ。つまり、電気自動車のこの新たなセグメントは、短くとも1年間はシボレー・ボルトの独壇場となると考えられる。今回のNAIAS2016では、GM社のメアリー・バッラCEOやシボレー重役陣がボルトのプロトタイプを華々しく宣伝して回るのに対して、テスラには展示フロアさえない。

また、ここで言っておかねばならないのは、このボルト(Bolt)が、プラグインハイブリッド車ボルト(Volt)の焼き直しなどではないことだ。2010年に発売されてシボレー・ボルト(Volt)はGMの期待の星だったが、売上は予想外に振るわなかった。そこでGMは社運をかけて今度のボルト(Bolt)の方を優先し、それによって勝利を手にするとみられる。

新たなボルトは、小ぶりなクロスオーバーSUVでありながら、電気自動車としては驚くほど機敏な動きを誇る。「ブレーキの感覚も、電気自動車にしては不思議なぐらい良い。車内もかなり広く感じる」とCES2016で試乗したフォーブスのエディターはコメント。フラットな形状のバッテリーパックをフロア下に配置したことにより車内のスペースも広く、10.2インチのタッチスクリーンによる「浮上式」操作パネルをはじめ、多くの気の利いた機能を備えている。

さらに、ボルトは将来的なカーシェアリングも視野に開発されており、そのために内装の耐久性を高めているという。さらに、アプリを利用してドライブ経験をパーソナライズすることもできる。また、マシンラーニングで走れば走るほど賢くなっていき、ドライバーはクラウドに蓄積されたオーナーたちの経験データにアクセスすることもできるのだという。

このシボレー・ボルトが華々しくデビューすれば、3万5000ドルほどになるとみられるテスラ・モデル3は、出遅れた「二番煎じ」とならざるを得ず、いずれボルトと同等の価格設定にすることとなるだろう。モデル3がようやく出発というタイミングで、ボルトはすでに追い越し車線を疾走しているのだ。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

 

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