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Linda Parton / Shutterstock.com

自動運転車が実現に近づいてきた。しかもその動きは、かつてなく速まっている。

1月4日、配車サービスの米リフトがシリーズF投資ラウンドで10億ドルを調達したと発表した。その半分にあたる5億ドルが創業107年のゼネラルモーターズ(GM)からのもので、その出資金を屋台骨にGMとリフトは自動運転車ネットワークの構築に向けた戦略的提携を結び、グーグル、テスラ、ウーバーのみならずアップルまでもが加わったこの分野での覇権争いで対抗各社に挑む構えだ。

今回の戦略的提携は、短期的目標と長期的目標を両睨みしたものだ。短期的目標はリフトがハーツレンタカーとすでに結んでいる提携と同じように、GMが全米にレンタル拠点を構築し、自社所有の車両をリフトのドライバーに短期間ベースで貸し出すというものだ。いっぽう長期的目標は自動車製造、自動運転技術、モバイルソフトウェアの開発などでの両社の経験を統合することにより、現状では人間のドライバーがハンドルを握るかたちとなっている配車サービスの業界に、より安価で広域的な自動運転車による配車ネットワークを構築することを目指すものとなっている。

「長期的目標については、GMとリフトの両社がそれぞれ別々の分野に集中して取り組んでいます。自動運転車を操縦するソフトウェアや、利用客を結びつけるソフトウェアなど、そうした両社の努力の成果をひとつに統合することにより、最上のサービスをお客さまに提供することが我々の目標なのです」と、リフトのCEOジョン・ジマーはフォーブスに語った。

とはいえ競合各社も、同じような目標を掲げてすでに動きはじめている。ウーバーは米カーネギーメロン大学のロボット工学研究部門と提携を結んでいたが、さらに50人もの研究者を同大学から引きぬいて社内で開発に当たらせている。そしてグーグルはずいぶん前から自動運転車の試験を続けているし、テスラも2015年、自動運転機能を自社ラインナップに追加した。また、ドイツの自動車メーカー連合はノキアの地図事業を2015年8月に買収した。さらに、世界最大の企業のひとつであるアップルも、独自の自動車技術の開発に取り組んでいるらしく、それをめぐる噂が数カ月前からメディアを賑わしている。

GMのダン・アムマン社長は、過去50年よりも大きな変化がこれからの5年で自動車輸送の世界に訪れると考えている。「我々が思い描いているモビリティの未来像、とりわけ都市におけるモビリティのサービスとしての役割といったものと、リフトのチームが思い描いているものがとても近いことがわかってきました。」と、彼もまたフォーブスのインタビューに答えてくれた。

しかし自動運転車がもちうる将来性は、裏を返せば、人間のドライバー向けに自動車を製造販売してきたGMにとっては悩ましいものでもある。リフトやウーバーといったスタートアップ各社が都市部を中心に人気を集めている配車サービスの分野にGMがこうして一枚噛むことになったことは、古くからの本業のゆくすえを危ぶんでのリスクヘッジだとみることもできよう。

なお、リフトは今回の投資ラウンドで10億ドルを調達したことにより、評価額が55億ドルになったと述べている。その結果、リフトはベンチャーキャピタルの投資を受けた私企業として世界のトップ20入りを果たし、最近21億ドルの投資を受けたばかりのライバル企業ウーバーの独走を許さない構えを見せている。

そのシリーズF投資ラウンドでGMに次ぐ第二位の出資者となったのが、サウジアラビアのアル=ワリード・ビン・タラール王子が運営するキングダム・ホールディング・カンパニーで、1億ドルをリフトに投じた。また、ジャナス・キャピタル・マネジメントや、楽天、Didi Kuaidi(嘀嘀快的)、アリババなどの各社もこの投資ラウンドに名を連ねた。

リフト社の発表によれば、同社サービスは全米の190を超える都市で1カ月に700万回以上利用されている。また2015年10月にも同社は、年間ランレート(業績予測)として10億ドル(リフトのアプリを通じての予約金額総計からドライバーへの報酬を差し引く前の金額)が見込まれると発表している。

編集=Forbes JAPAN編集部

 

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