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I find dividend payers that are deals thanks to being out-of-favor.

isak55 / shutterstock

それはもう確実だ:ゼロ金利時代は間もなく葬り去られる。
銀行口座にたんまり預金を持っている人には悪い知らせだが、もしあなたが金融株に投資しているなら朗報だ。そして今こそ、銀行株へ投資するときだ。

これは私だけの見解ではない。ウォーレン・バフェットといった名だたる投資家たちも賛同している。彼らはここ最近、自身がもつ銀行株を増やしているが、それと利上げが関係していることくらい株式売買の天才でなくたってわかる。12月16日に行なわれる連邦準備制度理事会で利上げ発表が行なわれることは78%確実とみられているのだ。

正直なところ、一度限り0.25%の利上げが行なわれたところで利ざやにそれほど旨味はない。しかし銀行株に投資している者たちにとって幸運なのは、今回はそういう話ではないということだ。ゴールドマン・サックス(GS)もより強気に取引きできるほど経済状況が堅調だと感じているのか、2016年度は四半期ごとに0.25%の利上げが行なわれるだろうと予測している。

それだけでもじゅうぶん銀行株をより魅力的にしてくれるが、金が動くところには株価がついてくるのが常(銀行が株からの利益で潤うだけでなく、おそらくそのうち見られるであろう、それを使って自社株を買い直す状況になれば尚さら好ましい)。

6年間もゼロ金利が続き、経済危機から派生した1500億ドルもの罰金を支払う状況にあった後だけに、この業界はまさにバーゲン品なのである。バンク・オブ・アメリカ(BAC)は、帳簿価格の79%、あるいはもし破綻して本日売却するとなったら純資産以下でも取引する。シティグループ(C)も同様に帳簿価格の8割で応じる。

しかしメガバンクの価値を査定するというのはめまいがするほど複雑で厄介な作業だ。ならばどうやってベストな銘柄を見つけるか?
簡単だ。賢い金の動きをたどればいい。

ここに挙げた3つの銀行は、アメリカを代表する切れ者投資家たちが、連邦準備制度理事会の動きを読んで資産をつぎこんだ銘柄だ。3社はいずれも、配当金を増やしたり、積極的に自社株を買い戻していたり(価格が下がっている今はとくに買い時だ)、良心的な配当性向を保っていたり(そうすることにより、また資金が戻ってくる)と、純良な経営をしている。

ウェルズ・ファーゴ:先生たちのお気に入り

投資家達に、バークシャー・ハザウェイ社の持ち株で1位を占めているのはどれかと尋ねたら、ほとんどが「コカコーラ」と答えるだろう。たしかにウォーレンおじさんの悪名高い『毎日コーラ4本』という食生活、そして相当長いこと寝かせているために初期投資額の50%近くもの利回りを得ていることで、彼らが上位に占めていることはまず間違いない。

しかしバフェットの171億ドルのコーラ株はバークシャー社にとっては2番目で、しかも1位とは大きな差がある。実際にポートフォリオの22.2%にあたる240億ドルを投じている銘柄は、ウェルズ・ファーゴ(WFC)だ。2015年の第1四半期には、バフェットはすでにマンモス級の持ち分にさらに3億8000万ドル分を追加している。

バフェットがある特定の会社にそこまで多くの資金を投じている以上、着目するに値する。
すると彼がこの、時価総額ではアメリカ最大手といわれる銀行のどこにそれほど惚れ込んでいるかが容易に見えてくる。

ウェルズ銀行は、連邦準備制度理事会が毎年行なっている、各金融企業が経済危機時にどれだけの耐久性があるかを調べるストレステストの結果でも抜きん出ている。そのことで配当金アップにもゴーサインが出て、さらに自社株買い戻しにも拍車をかけている。

経済危機以降、ウェルズ銀行の四半期の払い戻し金は650%増加の0.375ドル。利回りは2.7%で、ペイアウト率(あるいは配当金として支払われた利益率)は38%に抑えられているから、配当金は銀行の大金庫のごとく安泰だ。

一方でウェルズ銀行は、この12ヶ月間で買い戻しに97億ドルを投じたことでも、S&P 500(米スタンダード&プア社が算出したアメリカの代表銘柄500の株価指数)の中でトップクラスにランクされている。それによっていかに発行済株式数が減少したかを記したのが下のグラフだ。

wfc

この銀行の165%という株価純資産倍率は競合他社の多くを上回っている。それは金利が上昇した場合のポテンシャルの高さをも反映している。
ウェルズは、他のどの銀行よりも多くの貸し付けを行なっているから、金利が上がればおのずと収益も増えるということだ。

BNYメロン:アクティビスト投資家への道

ニューヨークメロン銀行(BK)も著名な投資家たちの注目を集めている。
バフェットを筆頭に、グリーンライト・キャピタル会長のデービッド・アインホーンも第2四半期に持ち株を1.108%増やしている。トライアン・ファンド・マネジメントのネルソン・ピルツもファンの一人だ。彼のヘッジファンドは第3四半期の末に12億ドル分を取得した。

わたしは配当金を再投資の元手にするので、BNYメロンの利回り1.6%にはそれほど惹かれない。しかもペイアウトも2014年初頭から上がっていない。しかし彼らは買い戻しでかなり点数を稼いでいる。2010年の終わりから14%近くも発行済株式を削減しているのだ。

3月には連邦準備制度の賛成を得て、その後の12ヶ月間で38億ドルを投資家たちに還元している。前年度の25億ドルからはかなりの増加だ。
2016年にはさらなる買い戻しを狙っている模様だが、実際の計画がどうなるかは来年3月のストレステストの結果を待ったほうがいいだろう。
ともあれ、アクティビストたちが参入してくるのは株式市場にとっては良い前兆だ:ブルームバーグのデータによると、アクティビストのターゲットになった銘柄は、2009年から2013年の間に平均48%の増益を記録し、S&P 500でも17ポイント上昇しているという。

USバンコープ:効率の良さではトップ

ふたたびバフェットを引き合いに出すと、彼が投資している銀行の中で2番手にくるのがUSバンコープ(USB)だ。ポートフォリオ全体では9番目に投資額が大きい。
ここでも顕著な上昇トレンドがみられる。バークシャー社は第1四半期にUSB株を4%増やし、第2四半期にはさらに1%追加した。

バフェットがUSBに好んで投資する理由は何か?
わたしも同じことをすると思うが、長期間に渡って株主たちの懐を暖めているという絶対的な効率の良さだ。

効率比とは、収入に対しどれだけコストがかかったかを算出した割合で、銀行業務の善し悪しを測る上で重要なポイントとなるものだが、これがUSBは第3四半期終了時で53.9%と、ウェルズ・ファーゴの56.7%をしのいでいる。JPモルガン・チェイス(JPM)やバンク・オブ・アメリカ、BNYメロンなどは66%から70%台だ。経済危機以降もUSBが着実に利益を上げているのはその効率の良さの成せる業であり、それが株主たちへ十分なペイアウトを提供できることにもつながっている。

usb

2010年以降、USBの四半期ごとの配当金は410%も増加している。その一方で市場に出回る発行済株式の数は9.8%減少している。

このような成長の仕方がどのような働きをするかがより具体的に理解できるよう言い方を変えて説明すると、たとえば2009年3月6日にUSB株を買ったとする。同社の株が底値にあった時で、1株あたり8.82ドルだった。そして今、初期投資分は11.6%の利回りを得ている。今現在の利回りが2.3%であるのと比べるといかに違いがあるかわかるだろう。しかもUSBが配当金に回しているのは収益のうちの34.2%にすぎない。彼らにはさらに上昇する余地があるということだ。

CEOのリチャード・デイビスは、今後も効率比には目を光らせるつもりのようだ。9月の彼の発言によれば、比率に向上が見られない場合は人員を削減することでコストを正常値に保つという。

しかし確率としては、デイビスの願い通りになる可能性が高い。そして効率比が上がれば銀行の利益も増え、株主に渡る配当金の額も増える。

ここに挙げた3つのメガバンクはどこも金利の面で堅調な伸びを見せているところに好印象が持てる。しかし来る2016年には、より規模の小さい3銀行にも注目している。もしバフェットが彼らの株を買うなら、いや、それは間違いないだろうが、なにせ規模が小さいだけに彼の莫大な資本に影響を及ぼすまでには至らないかもしれない。それは彼にとっては気の毒だが、我々にとってはありがたいことだ。
これら3社には、さっそく1月から株主たちに分け前を配るための7億9400万ドルもの余剰金がある。彼らは多くのシェアを買い戻すであろうから、一株当たり利益(EPS)はすぐに2ケタ台に達するだろう。となれば株価収益も向こう12ヶ月で15~20%上昇することになる。

編集=Forbes JAPAN 編集部

 

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