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I write about wearable technology and the humans behind it.

Tyler Olson / Shutterstock

通院できない患者を遠隔で監視できるウェアラブル。医療業界からの期待は極めて高い。しかし医師たちは導入を躊躇しているという。負担が大きすぎるのが理由だと、Health Leadersのシニアエディター、ジャクリーン・ フェローズは言う。

医師のジョセフ・ クヴェダーは、ウェアラブルを導入しなければというプレッシャーを感じている。しかし導入のための支援はほとんどない。「高齢化で糖尿病や高血圧などの慢性疾患が急増し、ウェアラブルの需要は高まっています。しかしそれに見合うよう臨床医たちを訓練できていません」イリノイ州の胃腸科医ローレンス・ コジンスキーも同意見だ。ウェアラブルの効果的な運用にはチーム規模の人員が必要だが、とても足りないという。

Googleは、データを記録し血糖値の上昇を監視できるコンタクトレンズを開発し、米食品医薬品局(FDA)と実用化に向けて話し合った。しかしこうした新技術も、データを管理するシステムがなければ運用は困難だ。このシステムの欠如が医師の大きな負担だと内科医イアナ・シメオノヴは言う。「100人の患者が各自膨大なデータを持ってくれば、その処理は困難です」

オースティンで行われた会議で、ActiveStateの戦略副部長バーナード・ゴールデンは、ウェアラブルには膨大なデータが不規則に記録されると指摘した。医師がその処理に時間を割けば、その分患者を診る時間は減る。「データは断片的で、全て見ても診断につながる保証はありません」

データ管理にはしっかりしたITインフラが必要だ。技術的なノウハウがなく多忙な医師たちには重い負担となる。「膨大なデータを集めても、そこに有益な情報があるとは限らないのでは経営の面からも負担です。医師たちは不満を感じ、導入を躊躇しています」とフェローズ氏は言う。医療が質重視の時代となる中、新技術の導入を試みる医師たちは苦悩する。「システムが進化し、医師は可能な限り多くの患者を診られます。しかし同時に医療は質で報酬が決まる社会に変わりつつあります。量と質を両立させる時間は、医師にはありません」

コジンスキー医師は3年をかけて、患者のデータを管理するアルゴリズムを独自に開発した。既存の医療情報記録システムはウェアラブルとは相いれないという。企業も効果的な製品の開発を目指している。Qualcomm Lifeの事業開発ディレクター、カビール・カサグッドは、ウェアラブル事業で利益を上げるよう技術者たちを鼓舞した。「FDAと協力し、HIPAA法(医療保険の携行性と責任に関する法律)を理解しましょう。電子カルテと連動する製品を開発するのです」

データ管理が問題となる一方で、患者が置き去りになるとフェローズ氏は危惧する。「システムが高価になれば、その恩恵を受けられるのは一部の患者だけになるでしょう」
低所得者の場合、入院に至るほど悪化するまで受診しない患者も多い。「具合が悪くなっても病院に来ない低所得の患者のためにもウェアラブルが必要なのです」とコジンスキー医師は語る。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

 

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