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I cover business and investing in emerging markets.

Valeri Potapova / shutterstock

IMF(国際通貨基金)が発表した人民元の主要通貨入りによって、1兆ドル(122兆円相当)の経済活動に人民元が取引されると試算される。IMFが加盟国の出資額によって割り当てる「特別引出し権(SDR)における人民元の割合の目安を10%にしたことで、多額のドルを保有する各国の中央銀行が外貨準備を人民元に切り替える動きを加速させる可能性がある。

取引の自由度が制限されている世界最大の通貨である人民元について、IMFが主要通貨入りを正式に決めたことは、米国に次ぐ世界二位の経済規模と消費マーケットを誇る中国の念願であり、中国の財政改革が正しい方向へ向かっているということを示す青信号でもある。2016年10月1日から、人民元はSDRに加わる。

IMFの発表は中国にとって重要な意味をもっていた。HSBCの北米における人民元ビジネスを統括するデブラ・ロッジ氏は、今回の決定は米国企業に人民元の重要性を認識させる効果があると指摘し、次のように述べた。
「今回の動きにより、中国企業からの購買戦略を見直し、取引レートに人民元を採用する米国企業が増えることが予想される」。

ロッジ氏の同僚でHSBCのマーティン・マチャック氏は、今回の決定により投資家が中国でのセキュリティを判断するための新しい局面にはいったとみる。「今後、人民元の資産としての需要は高まるばかりだろう。実際、米国での利上げを控えて益々多くの米国企業が人民元の資産を増やすことを検討している」。
それは、人民元がドルにとってかわるということか?米国政府が南シナ海の安全について突然懸念し始めたのもうなずけるわけだ。市場関係者の声を聞いてみよう。


ロンドンのAshmore Group の研究部門を率いるジャン・デーン氏は、かつて中国は欧米の生活水準へ追いつこうと必死だったのが、いずれは米国の4倍の経済規模になると言われているといたうえで、こう述べた。「中国の通貨と債券市場は将来的にドルにとって代わり、世界の基軸通貨のような役割を果たすだろう」。

バークレイは2つのシナリオを示してくれた。
1つ目は、人民元が日本円のように外貨準備に使われていくという可能性だ。実際、日本円のSDRにおける構成率は約9%であり、人民元は日本円より比率が少し大きくなる予測だ。もう一つのシナリオは、いずれ人民元が構成率16%のユーロに追いつくという見方だ。後者の場合、今後5年間で18.3兆円から36.6兆円の人民元が市場に流れることになる。

中国政府は常に長期的な戦略を立てて政策を進める傾向があることを考慮すると、2020年以降人民元が外貨準備という面でどのような位置につけるかを今から予測しておくのは妥当だ。デービッド・デルナンデスが率いるバークレーキャピタルのシンガポール事務所の研究員たちは、中期的に見ても人民元は国際市場において重要な構成要素になるとみている。
フェルナンデス氏は、人民元が主要通貨の仲間入りをしたことによって、ドルよりユーロの方が大きな影響を受けるとみている。同氏は顧客へのレポートのなかで、「欧州中央銀行の政策に対する懸念から、外貨準備としてのユーロのシェアは減少する可能性がある」と指摘した。

今後数年間で、大きな市場や中央銀行の枠を超えて、多額のドルによって人民元の売買が行われるだろう。投資家にとっては、ドルへの投資を分散させる好機となる。そうなると結果的に中国は国債を抱えることになり、長期的にみて、日本にとって非常に興味深い材料になるだろう。

「今日から人民元は主要通貨の仲間入りを果たした」というのはStansberry Researchのスティーブ・ジュギャラド氏だ。「私が今あなたに助言を与えるとすれば、まずはあなたの資産を人民元に買えることだ」。


IMFのクリスティン・ラガルド専務理事は「世界の金融システムに人民元を取り込むうえで重要な一里塚である」と指摘し、「これは中国政府が過去数年にわたって取り組んできた投資や金融システム改革の進展にお墨付きを与えるものだ」と述べた。そのうえで、こう続けた。「中国政府がこうした努力を続けることはより健全な国際的な投資や金融システムの創生につながり、最終的には中国と世界経済の成長と安定をもたらすものである」。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

 

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