ビジネス

2015.10.16

Inside Forbes: ブランドが飛躍する上でのモバイル志向 Part1

Georgejmclittle / Shutterstock

インターネット業界の隠語が、心底嫌いだ。仕方無く使っている私も悪いのだが。中でも、近ごろ最もイライラさせられるのが「モバイル・ファースト」だ。これでもか、これでもかと言わんばかりに、尊大かつ威圧的な感じで、業界のイベントで飛び交っているからだ。

実現させる人員や具体的な計画が無い場合ですら、頼りにされる印象操作用のワンフレーズとして戦略の方向性を誇張するのに使われている感じだ。今のところ、モバイル・ファーストが最も引き合いに出されているのは、即応式のページデザインの世界である。デスクトップPCで見られていたニュースを、より小さな機器上で、整然とした形で縮小表示させるからである。他の既存メディアや新興ニュースサイトなどと同じく、このフォーブスに於いても、工夫しながら取り入れた。そう、少なくとも我々にとっては遂に時来たれり、なのだ。ただ、即応デザインだけでは不十分だ。新しい道のりとして、足固めをしなければならない。

モバイルを全社的にビジネスとして導入していく。それが我々の目標だ。以下が、その必要性を説明したチャートである。モバイル広告出稿額は着実に伸びを示し、デスクトップPC表示用の広告への出稿額と肩を並べた。そして今、正に追い抜こうとしている。 パブリッシャーにとって、デジタルで長年の稼ぎ手だったデスクトップ用広告の黄金期は、間もなく終わり、モバイル/ミレニアルが、新しい御輿として取って代わるだろう。しかも、話は半分しか終わっていない。広告業界が直面している、劇的なまでのプラットフォームの再構築。これが残りの半分なのだ。

フェイスブックがモバイルで稼ぐ広告の売上げは、同社の収入全体の75%を占めている。他から奪い取った格好だ。その上、同社のインスタント・アーティクルズと、モバイル利用者へのコンテンツを配信するスピードが、新たな脅威となっている。それだけにとどまらない。新しいコンテンツ・アグリケーターであるアップル・ニュースが襲来した。広告をブロックするiOS9もモバイル展開での恐るべき現実である。10年に渡りデジタル広告を支配してきたグーグルに至っては、どんな奥の手を隠し持っているか知りようも無い。

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流れが鮮明になるにつれ、似たような道筋を選びながら、我々はモバイルの将来を思い描き始めた。話は2010年にさかのぼる。我々はTrue/Slantを買収した。そして、同社のソーシャル・ジャーナリズムのDNAも取り入れた。フォーブスがポータル・ニュースサイトから変身出来たのは、この買収劇が役立ったおかげである。

ネイティブ広告も、ひと役買った。オーディエンスと売上げが増えた。今ではデジタル広告の売り上げは、広告の総売り上げの70%を占めるようになった。ちなみに、ライバルの既存メディアは25%でしかない。そして、このほどフォーブスでは新興アプリ・ベンチャー企業であるCamerama(カメラマ社)を掌中とした。そのモバイル方面のプロダクツと、データ中心主義を組み込んだのである。

買収の最初の成果となるのが、弊社のUnder30フランチャイズ拡大を目的としたソーシャル・ネットワーキング・アプリだ(ユニークなウェブでの表示にご注目頂きたい)。弊社では、我らがブランドに関わっていただいている情熱的なコミュニティの方々向けのアプリを複数作っている。その第一弾として、10月4日にフィラデルフィアで開催する第2回Under30サミットで、リリース予定だ(訳注:この記事は10月1日に書かれた)。

編集=南茂樹

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