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2025.04.18 09:30

著名人のディープフェイク被害が過去最多に 3カ月間で179件、はや昨年超え

Shutterstock.com

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AI(人工知能)を用いて生成されたディープフェイクと呼ばれる偽の画像や映像、音声による著名人の被害が急増している。2025年1~3月の被害件数は179件に上っており、これは前年比2.5倍以上だった2024年通年の150件より多い。

2017年以降これまでに確認された著名人のディープフェイクのうち、4分の1が実業家のイーロン・マスクのものだった。次に多かったのが米人気歌手のテイラー・スウィフトで、俳優のトム・ハンクス、エマ・ワトソン、ブラッド・ピット、ラッパーのカニエ・ウェスト(現Ye)らも被害に遭っている。

こうしたディープフェイクの3分の1は詐欺を目的としていた。その他、性的なコンテンツの生成や、特定の政治的見解に対する支持を意図したものも多い。

「ディープフェイク技術は驚くべき速度で進歩しており、これに伴って、誤情報や悪意に基づく使用例を許す余地も広がっている」と、調査を行ったサイバーセキュリティ企業Surfshark(サーフシャーク)のトーマス・スタミュリス最高セキュリティ責任者(CSO)は指摘する。

「個人の名誉棄損から国家安全保障を脅かすものまで、生じる被害は多岐にわたる。誰もが慎重になる必要がある。見聞きする情報への信頼が失われれば、プライバシー、制度、そして民主主義にも大きな影響が及ぶからだ」

性的ディープフェイクは2024年には年間で26件だったのが、今年ははや53件を数える。詐欺目的のディープフェイクも48件と、昨年1年間の56件に迫る勢いだ。

政治的なディープフェイクも、米大統領選が終わった後に減るどころか、今年に入ってすでに40件を数え、まもなく2024年通年の50件とほぼ同数に達する。

2017年の調査開始以降、最も標的となっている政治家は予想にたがわずドナルド・トランプ米大統領で、全体の18%に相当する25件のディープフェイクが確認されている。ジョー・バイデン前米大統領が20件でこれに続き、選挙戦中のロボコール(自動音声電話)が最も大きな被害だった。カマラ・ハリス前米副大統領は6件、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は4件だった。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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