「友達タブ」は画面下部で左から2番目にあり(訳注:翻訳時点では訳者のiOSアプリ最新版上にはこのタブはなく、右下の「メニュー>フィード>友達」にアクセスすると友達タブを表示できる。またブラウザ版では画面左の「フィード>友達」からアクセスできる)、この状況を大きく変える。少なくとも90%が実際の友達の投稿で占められ、そこに友達リクエストや「知り合いかも?」がわずかに混ざる程度だ。
もっとも、フェイスブックはまだ巧妙な仕掛けを続けているようにも見える。メタが新しい製品を出すときはいつも、最初は広告をほとんど表示しないことが多い(たとえばThreadsもまだ広告をほとんど見かけない)。今回の友達タブも現時点では広告がほとんどなく、実際に筆者は一度も目にしていない。だからこそ、いまは快適な体験だと感じられるのだが、この「ハネムーン期間」が終われば広告が入り込むのは時間の問題だろう。
とはいえ、政治家や公人、インフルエンサー、あるいはフォローしていないグループによる投稿が大量に紛れ込むメインタブよりは、はるかに「友達中心」の使い方ができるはずだ。
フェイスブックがメインタブをこれほど広告や政治的コンテンツに寄せた理由は明らかだ。数十億人規模のソーシャルネットワークで注目を集める政治的な話題や、アルゴリズムが選別した高エンゲージメントの投稿は、「ボブおじさんが新しい芝刈り機を見せびらかす」投稿よりも多くの人の目を引きやすい。利用者を増やし、長時間アプリを使わせて、広告収益を伸ばすという仕組みだからである。
しかし、そうした政治的「ニュース」や得体の知れないグループの投稿に興味がなく、単に友達や親戚の近況を知りたいユーザーも少なくない。ソーシャルネットワークの主目的は、ニュースでも雑音でもなく、人々のつながりを維持することにあると考える人々だ。
ザッカーバーグの投稿への反響を見ると、多くの利用者がこの考えに賛同しているようだ。
たとえば以下のようなものだ。
「この原点回帰が待ちきれません。ずっと前からこうあるべきでした」
「原点回帰とは、あるべき姿という意味ですね」
「それはすばらしい回帰ですよね!」
「私のニュースフィードの98%は、私がフォローしておらず、気にもしていない広告とインフルエンサーだけです。友人の投稿を見たい場合は、個別に彼らのページにアクセスする必要があります。フェイスブックは時間がかかりすぎて疲れます。多くの人々がプラットフォームを離れるのも無理はありませんよ」
ザッカーバーグとそのチームが友達タブをリリースした背景には、ユーザーがフェイスブックを利用する時間を減らしている事実と、従来はデスクトップ版だけで利用できた「友達のみ」表示を活用する人が増えていた状況があるのだろう。昔のフェイスブックを好んでいた層を何とか呼び戻し、プラットフォーム上にとどめたいという意図があると考えられる。
いずれ広告が「友達タブ」に出現するにしても(訳注:翻訳時点ではすでに広告は出始めている)、友達の投稿を中心に見たいユーザーにとっては、このアップデートは有意義な改善だといえそうだ。