こう見ると、インフルエンサーを使うのはリスクのほうが大きいように思える。「推し」のインフルエンサーが心にもない宣伝をしているとわかれば、かえって強い反発を招くだろう。そこで企業が注目すべきは、インフルエンサーマーケティング自体への意識でトップになった「信頼できる人と信頼できない人がいる」という項目だ。信頼できるインフルエンサーに信頼できる投稿をしてもらえば効果が期待できる。

参考になるのが、インフルエンサーマーケティングの信頼性に影響する要素を聞いた設問だ。とくに、インフルエンサー自身に関するものに注目すると、もっとも多いのが「社会人としての常識やマナー」。そのほか、ここで示された項目から信頼できる投稿に必要な条件を抜き出して列挙すると……
・良いところと悪いところの両方を説明する
・自分が本当によいと思った商品だけを取り上げる
・説明がわかりやすい
・十分な専門知識がある
・普段から質の高い情報を提供している
・紹介するときの態度がいい
・自らの使用体験にもとづいている
・ファクトやエビデンスを明確にする
・法律や規則を理解している
・案件を示すタグをきちんと表示している
・他人の権利に配慮している
となる。インフルエンサーマーケティングの信頼度の設問で見られた3つの肯定的な意見は、どれもこの条件を満たした投稿に対するものだ。

ちなみに、SNSや動画共有サイトで見た商品やサービスを購入した経験のある人が参考にしたものを聞くと、1位が「自分で商品を探していたときに見つけた誰かのレビューやお勧め」だった。続いて、一般人の口コミ、広告となり、インフルエンサーは4つのうちの最下位。そもそもインフルエンサーマーケティングは難しいのか。しかし、上に示された条件を満たして誠実に実施すれば、その順位が変わる可能性が十分にある。