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暗号資産

2025.03.14 18:00

アブダビ政府系ファンド、暗号資産取引所「バイナンス」に3000億円出資

Shutterstock.com

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取引量で世界最大の暗号資産取引所であるバイナンスは3月12日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビを拠点とする政府系ファンドMGXから20億ドル(約2970億円)を調達したと発表した。

バイナンスは12日の声明で、この資金をステーブルコインによって受け取ったと述べている。同社に機関投資家が出資するのは今回が初めてであり、20億ドルという金額は、暗号資産企業への1回の出資としては最大規模だとバイナンスは説明した。

MGXは声明の中で、この投資が、同社にとって初めての暗号資産分野への出資になると述べている。同社は、米OpenAIと日本のソフトバンクグループが主導する5000億ドル(約74兆円)規模の人工知能(AI)インフラプロジェクト、Stargate(スターゲート)にも出資している。

MGXのバイナンスに対する投資は、トランプ米大統領がデジタル資産に対する規制を緩和する方針を示していることに後押しされたと見られている。米証券取引委員会(SEC)は先月、バイナンスとの共同申し立てにより、同取引所に対する訴訟の一時停止を裁判所に求めた。SECは2023年にバイナンスと創業者のチャンポン・ジャオ(趙長鵬)を提訴し、顧客資金の不適切な管理や取引量の不正な水増しなどを含む複数の疑惑を指摘していた。

同年、バイナンスは米国のマネーロンダリング防止法違反を認め、43億ドル(約6370億円)の罰金を支払うことで当局と和解した。その和解の一環として、ジャオは同社のCEOを辞任し、2024年にはマネーロンダリング関連の罪で4カ月間服役した。

その後、シンガポール証券取引所の元規制当局者であり、アブダビ金融サービス庁の元CEOであるリチャード・テンがバイナンスのCEOに就任した。

フォーブスの推計によると、バイナンスを2017年に創業したジャオは、暗号資産業界で最も裕福な人物で、600億ドル(約8兆9000億円)以上の資産を保有している。昨年9月に米国での服役を終えた彼は、同社のベンチャーキャピタル部門であるYZiラボの顧問に就任したと、バイナンスは1月に発表した。

以前はバイナンスラボとして知られたYZiラボは、ブロックチェーンやAI、バイオテクノロジーのスタートアップへの投資を行っている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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