そんな中、ウォール街の巨人のゴールドマン・サックスが密かにビットコインの現物ETFを保有していたことが報じられ、アブダビの政府系ファンドもビットコインへの投資を行ったことを開示した。
アブダビの政府系ファンド「ムバダラ・インベストメント・カンパニー」は、2月14日の開示資料でブラックロックの現物ビットコインETFに約4億3690万ドル(約662億円)を投資したことを明らかにした。この投資は、昨年の第4四半期に実施された。
米国の現物ビットコインETFの資産総額は、昨年11月に初めて1000億ドル(約15兆2000億円)を突破し、そのうち約600億ドル(約9兆1000億円)をブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)が占めている
ここ数カ月で、各国の政府が密かにビットコインを購入しているとの憶測が広がる中、ブラックロックのラリー・フィンクCEOは、1月23日のインタビューで、ビットコインの価格が50万ドルから70万ドルにまで上昇する可能性があると述べていた。
ビットコインマガジンのCEOで、昨年の大統領選でトランプ大統領に暗号資産関連の戦略を助言したデイヴィッド・ベイリーは、15日のX(旧ツイッター)に「まだ先は長い。気を引き締めて行こう」と投稿した。
ベイリーはさらに、「アブダビは、今回の開示書類よりもはるかに大規模な投資をしている」と指摘し、「他にも複数の湾岸協力会議(GCC)の加盟国が、動きを見せている」と付け加えた。GCCにはバーレーンやクウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、さらにアブダビを含むアラブ首長国連邦(UAE)が加盟している。
一方、ビットコインの支持派で知られる共和党のシンシア・ルミス上院議員も、アブダビの動きを受けて、「私が言っていた通りにレースが始まった」とXに投稿し、「米国が勝つべき時が来た」と続けた。
ワイオミング州選出のルミス議員は、昨年7月末に米連邦準備銀行(FED)に戦略的準備金としてビットコインを保有することを義務づける法案「2024年ビットコイン法」を上院に提出していた。この法案は、5年間で100万ビットコインを購入することで、36兆ドル(約5460兆円)近くに達する米国の国家債務を削減することを狙うものだ。
さらに、トランプ大統領が暗号資産担当官に任命したデービッド・サックスは、米政府がビットコイン準備金の可能性を検討していることを確認し、「近いうちに重要な発表がある」と予告した。「この件は、政権内の内部作業部会の最初の検討課題の一つとなる」と、彼は今月初めの記者会見で述べていた。
サックスは、「デジタル資産に関する省庁間の作業部会が、大統領の政策を実行するためにうまく連携している」と15日のXに投稿した。
(forbes.com 原文)