食&酒

2025.04.01 15:15

実は韓国で「とんかつ」が国民的人気! 海を越えて“トンカス”になった日本グルメの今

韓国式トンカスは洋食スタイル!?

日本のとんかつと言えば、とんかつにキャベツ、ご飯はお茶碗に、そして味噌汁の定食スタイルですが、韓国式のトンカスはいわゆる“洋食レストランのカツレツ”に近い料理です。この「南山トンカス」ができる90年代以前からも洋食文化はありますが、ソウルでは南山近郊を中心に発展したと言われています。

店構えは昔ながらの一階建の平屋。なかに入るとテーブルが並び、壁には有名人のサインがいっぱい飾られています。日本でもありますよね、こういうお店。懐かしい感じを覚えるのは私だけでしょうか? 昭和感満載のお店です。

テーブルについてオーダーしますが、今回はトンカスと白身魚のフライのセット、「パンパンカス(半々カツの意味)」をチョイスしました。

注文してすぐにスープが到着します。シチューのようなホワイトソースのスープです。おかわりができますのでお好みでお願いしてみてください。

そしてテーブルの上に置いてある大きめのタッパー。“昔ながらの日本の定食屋さん”にある漬物鉢のように、韓国ではお馴染みの辛くない唐辛子とカクテキが入っています。

お店の人が取り皿を持って来てくれるので、必要なだけとり分けます。辛くない唐辛子用の味噌もテーブルにありますのでこれをつけて食べてくださいね。

ちなみにこの唐辛子。焼肉店をはじめどこの店でも出てきますが、たまに辛いものも混ざっています。見分け方は簡単で、大きいのは辛くなく、小さいのは辛いと覚えておきましょう。僕は大きめのを自分で食べて、韓国の友達には小さいのを食べさせる、みたいな食べ分けをしたり、しなかったり……。

ビッグサイズにたっぷりソースのトンカス

しばらくするとパンパンカスが到着。韓国でのトンカスはかつ、キャベツ、コーンとご飯がワンプレートに乗っています。

ソースがたっぷりかけられた大きなトンカスはインパクト抜群。ソース、といっても日本のようなとんかつソースではなく、デミグラスのような洋風ソースです。また、韓国では肉が薄く伸ばされ、見た目が大きいのが特徴です。 

トンカスはカットされていないので、ステーキのようにフォークとナイフで自分好みのサイズに切り分けて食べます。ちなみにご飯の量は少なめなので、食べ切る自信のある方は注文の際ご飯多めと伝えましょう。 

フルーティーなソースの微かな甘みが食欲をそそります。ソースがしっかりかかっていますが、トンカスはサクサクで食感も楽しめます。

白身魚のフライのタルタルソースも、濃いめの味が好印象。ほかのお店だと意外と薄味のタルタルが多い気がしますが、こちらのお店は日本人の私にも合うしっかりした味わい。もちろん揚げたてなので中はホクホクですよ。

キャベツにはケチャップとマヨネーズを混ぜて作るソースがたっぷり。どこか懐かしい気がします(笑)。韓国式トンカスは、日本人には昭和の洋食レストランを思わせるような逸品と言うのが正解でしょう。レトロそのものですね。

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隅谷洋平=写真・文 池田裕美=編集

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