Google Chromeは、まもなく大規模なトラッキング方法の変更を行う見込みだ。世界で最も人気のあるブラウザ内で、Cookieを拒否するための選択肢が示されるのを、世界中の私たちは待っているが、新たに導入される保護機能の一部を使うにはプライベートブラウジングを利用しなければならない。
そのような動きがある一方で、Androidユーザーにとって厄介な新たな問題が浮上している。結局のところ、トラッキングは続くようだ。
トリニティ・カレッジ・ダブリンの新たな研究によると、グーグルはスマートフォンの電源を入れた直後から、プリインストールされたデフォルトアプリを通じて「Cookie、識別子、その他のデータをひそかに保存」し、ユーザーをトラッキングし始めるという。研究者らは「こうしたデータを保存する際、ユーザーの同意は求められず、オプトアウトもない」と警告している。なお、「本研究は、プリインストールされたグーグル製アプリが保存するCookieなどに初めて光を当てたものだ」と述べている。
このトラッキングは、アプリを開かなくても始まるとされ、報告書によればオプトアウトの方法は存在しないという。これはChromeのトラッキングCookieに関して進められている方向性と矛盾する。問題視されているデフォルトアプリには、Google Play StoreやGoogle Play Servicesが含まれる。ここ数カ月間でほぼすべてのAndroid端末に「ひそかにインストールされた」とされる写真スキャンアプリ「Android System Safetycore」をめぐる騒動を考えると、今回も同じく「透明性」が論点になっている。
さらに厄介なのは、研究者によるとAndroid System Safetycoreと違い、これを完全に止める方法が存在しない点だ。
広告IDを定期的にリセットまたは無効化し、アプリの権限をこまめにチェックすればトラッキングをある程度は制限できるが、完全には止められない。抜本的に排除するにはOSそのものを切り替える以外に手段はないという。
トリニティの研究では、広告の閲覧回数やクリック数をカウントするCookieのほか、Android IDという「永続的なデバイスおよびユーザー識別子」も検出されている。従来から「広告IDをリセットまたは無効化せよ」という警告は多く発信されているが、通常のトラッキングCookieも用いられている。