2025年に訪れるべき世界の都市はどこだろうか? 市場調査会社の英ユーロモニターインターナショナルは、毎年発表している「訪れたい世界の都市100選」の最新版を公表した。
同社は、経済と産業、観光業界の業績、観光設備の充実度、政策と魅力、保健と治安、持続可能性という6つの重要な柱にまたがる55の異なる指標を分析し、旅行に最適な世界の都市をランキング形式で紹介している。
パリが4年連続で首位の座を確保
歴史遺産や文化的な影響力に加え、最先端の持続可能性への取り組みという、他に類を見ない組み合わせが評価され、フランスの首都パリが4年連続で「世界で最も訪れたい都市」の首位を確保した。「華の都」パリが世界中の観光客を魅了し続ける理由として、ユーロモニターは、同市が2024年に1700万人以上の外国人旅行者を受け入れた点を挙げ、観光業界では世界でも比類のない優位性を保っているからだと説明した。
同社の前回のランキングと同様、欧州の各都市が今年も引き続き上位を占めた。上位20都市のうち、欧州からは9都市が入り、同地域の歴史や文化の豊かさや、観光客への魅力の高さが改めて強調された。1位のパリ以外にトップ10入りした欧州の都市は、スペイン・マドリード(2位)、イタリア・ローマ(4位)、イタリア・ミラノ(5位)、オランダ・アムステルダム(7位)、スペイン・バルセロナ(10位)だった。

アジアの人気が急上昇
欧州が強い存在感を示し続ける一方で、今年のランキングでは変化の兆しも見られ、同地域以外の都市が大きく順位を上げた。欧州に次ぐ強さを示したのはアジアで、6つの都市が上位20位以内に入った。
東京が3位に浮上したのは、人気の旅行先としての日本の魅力の高まりを表している。東京は観光向けの設備の改善やパンデミック(感染症の世界的な流行)後の復興、海外からの観光客の増加、持続可能性と文化保存への取り組みが評価された。
アジアからはシンガポールも9位に入り、存在感を示した。ユーロモニターが同ランキングを開始して以降、「世界で最も自由な経済」とも言われるシンガポールは、経済と産業の柱で首位を維持し続けている。

米国の都市の状況
今年のランキングでは米国も健闘し、100位以内に8都市が入った。米国の都市の中で最も順位が高かったのは、6位のニューヨークだった。同市では、高級ホテルの拡大や世界的に有名な娯楽や外食産業など観光業界が活況を呈し、記録的な数の旅行者を引きつけている。
次いでロサンゼルスが18位、ラスベガスが23位に入った。33位のオーランドはテーマパークなど家族向けの魅力に富んでおり、世界でも人気の旅行先となっている。そのほか、マイアミ(35位)、サンフランシスコ(36位)、ワシントン(41位)、ホノルル(55位)が100位以内に入った。
