コロナ禍以降、テレワークとオフィスワークを併用する企業も増え、無理して家賃の高い都心部に住む必要がなくなってきている。とはいえ、地方に住むとなるとクルマがないと生活に困るケースもあり、実際にはどうなのだろうかと悩む人も少なくないはずだ。
そんな東京と地方の家計について「オカネコ保険比較」を運営するフォーハンドレッド・エフが調査。結果を公開している。
それによると、まず生活費(住宅費・保険料・通信費・水道光熱費・車関連費・サブスク費)を比較したところ、どの世帯(単身・夫婦/パートナー同居世帯)でも東京と地方では5万9000円ほどの差があることがわかった。

生活費の内訳のうち、もっとも差が大きかったのが住宅費で、単身世帯で4万5000円、夫婦/パートナー同居世帯で6万5000円に上った。単身世帯では東京が5万から10万円が半数ともっとも多く、地方は5万円以下が半数以上占めていた。一方、夫婦/パートナー同居世帯は、東京はどの価格帯も均等の割合でおり、東京でも場所によって価格帯がバラバラという印象だ。一方、地方では5万円以下が4割も占め、10万円未満は73%に上るため、10万円あればそれなりの所に住めそうだ。


地方で必要とされるクルマについて、持っていると回答した人は単身世帯で東京は18.4%、地方は62.9%と大きく差が開いた。さらに夫婦/パートナー同居世帯になると、東京で46.9%、地方で94.4%となり、やはり地方で生活するにはクルマがないと厳しいようだ。

車の維持費を比較してみると、東京は2万5000円、地方は1万5000円と、東京のほうが高くなったが、これまでクルマを持っていない世帯にとっては、購入費もかかってくるのでそれを含めて移住を検討する必要がある。
また、世帯年収も比較したところ、どの世帯は東京のほうがやはり高く、家計についてどのように感じているのかの問いに、東京のほうが余裕があることがわかる。そもそも無理して東京に住んでいるのではなく、収入に十分見合った生活をしているようだ。


東京から地方へ移住を考えているなら、安くなった家賃のぶん、クルマの経費に変わるが、それでも余裕のある生活はできるだろう。ただ、心の余裕は生まれても、通勤するとなると満員電車に長く揺られることになるため、それらを天秤にかけて決断するのが良さそうだ。
出典:フォーハンドレッド・エフ「東京と地方の家計調査」より