経営者にとっての好機
キャリアコーチのローレン・ミリガンは、Eメールで以下のように述べた。「企業と民間セクターの経営者は、高いスキルと規制・コンプライアンス・行政に関する深い専門性をもつ人材を獲得する好機を手にしている。課題は、政府職員としての経験と、民間セクターが期待するものの間のギャップを埋めることだ。転用できるスキルを特定し、企業にとっての優先事項やメッセージを受け入れ、技術的スキルをアップデートし(政府機関はこうした面でしばしば遅れている)、大幅に異なる職場カルチャーに適応する必要がある」元職員にとっての課題
職を失った元連邦政府職員は、成長著しい活気あるフリーランス労働市場に加わることを選ぶかもしれない。全米のフリーランス労働者人口は、現在推定6400万人とされている。ミリガンは、以下のように指摘する。「職を失った連邦政府職員の多くは今後、公務員とはまったく異なる労働市場に活路を求めることになる。履歴書を大急ぎで修正し、長く使っていなかったネットワーキングや面接のスキルをブラッシュアップし、キャリアの短期的・長期的目標を全面的に見直す必要がある。こうした求職者は企業に対して、転用可能で貴重なスキルをもたらすだろうが、彼らがこれから参入する雇用市場は、現時点ですでに極めて競争が激しい」
現在の雇用市場は、元政府職員にさらなるハードルを課すだろう。
連邦政府雇用を専門とする弁護士ジャスティン・シュニッツァーは、Eメールで以下のように述べる。「2024年12月の雇用統計が好材料に乏しいものだったことから、早期退職を選んだ7万7000人の連邦政府職員たちは、新しい職を見つけるのに苦労する可能性がある。すでに民間セクターにいる人々にとっても、概して高学歴なこうした働き手が新たに加わることは、競争の激化を意味するだろう」
連邦政府からの頭脳流出
数万人の連邦政府職員の自発的および強制的退職が、政府機関に悪影響を及ぼすことは避けられそうにない。法律事務所ウィリグ・ウィリアムズ・デイビッドソンの雇用法弁護士ミシェル・デビットは、Eメールで以下のように述べた。「暫定的な観測によれば、早期退職報奨金を受け取った人々の多くはキャリアの後期にあり、したがって雇用市場に再加入しない可能性もある。けれども、彼らは最も経験豊富な職員でもある。そのため、彼らが突然去ることは、本来なら受け継がれるはずだった、組織に蓄積された知識や専門性が政府機関から失われることを意味するだろう」