北米

2025.02.15 11:00

世界中で気候変動に関する「偽情報」が急増、国連も警鐘

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「投稿されたコンテンツでは、気候変動そのものを全面的に否定するケースは少なく、むしろより巧妙な戦術が用いられていた。そこでは、気候変動対策や科学的合意への信頼を損なうことを目的としたものが多かった」と研究者は指摘している。

偽情報と戦う取り組み

「それらの投稿の多くは、再生可能エネルギーが非効率で高コストであり、実用的ではないとする主張を、誤解を招く統計や恣意的に選ばれた逸話を用いて補強していた。また、気候科学を『不確実なもの』や『政治的に歪められたもの』と主張する投稿も存在した」とこのレポートでは指摘された。

こうした状況を受け、昨年末にはブラジル政府と国連、ユネスコが「気候変動に関する情報の誠実性のためのグローバル・イニシアチブ(Global Initiative for Information Integrity on Climate Change)」を立ち上げた。

この取り組みに参加するチリやデンマーク、フランス、モロッコ、英国、スウェーデンなどはユネスコが管理する基金に今後の3年で、1000万~1500万ドル(約15〜23億円)の資金を集めることを目指している。この資金はNGOへの助成金に充てられる予定だ。

「我々は、気候変動対策を阻む組織的な偽情報キャンペーンに立ち向かわなければならない。このような勢力は、単に気候変動を否定するだけでなく、気候科学者に対するハラスメントも行っている」と国連のグテーレス事務総長は述べている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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