関西地方で地域密着型のウェブメディアやマーケティングなどを展開する「関西ぱど」は、同社の人材サービス部門で働く20代の社員3名にインタビューを行い、昇進に関する若手社員のリアルな声を聞いた。そこでは、昇進を望まない理由として次の3つが示された。

ひとつは、責任が重くなることと長時間労働への不安。残業で疲れきった上司の姿を見ていれば、管理職になれば今より大変になるだけだと敬遠してしまう。
次に、ワークライフバランスの重視。仕事かプライベートか、どちらを重視するかが昇進意欲を大きく左右する。昇進と長時間労働がセットになったイメージがここにも影響している。
もうひとつが、管理職になるより自分のスキルアップを求める意識が高いこと。終身雇用が過去のものとなった今、会社に依存するより個人の力を高めて市場価値を上げたいと考える若者が多いということだ。昇進がその方向性に即していないわけだ。

これらを踏まえ、関西ぱどは企業側の対応について考えた。まずは、管理職が充実感をもって働く姿を見せること。身近に理想とするロールモデルがないことが、昇進への意欲を低下させているからだ。そのためには、管理職もワークライフバランスを確保しながら働ける制度の整備と、管理職が仕事の魅力を若手に伝える機会を設けることだという。
また、個人の成長と昇進を結びつけることだ。インタビューでは、「組織に好影響を与えたい」、「目先の目標は見据えていて、成長機会を求めている」という意見が共通していたことから、組織内で影響力を持つことには関心があることがわかった。そこで、影響力のあるポジションを増やして管理職以外のキャリアパスを示すこと、そして昇進を業務範囲が広がる機会となるよう、段階的なキャリアアップ制度を導入することを提案している。
社内の3人のインタビューということで、あくまで同社の場合に限られるかもしれないが、ワークライフバランスの確保と社員の目標にマッチしたキャリアパスの提示が重要だという、これからの企業のあるべき姿がここでも確認されたわけだ。
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