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欧州

2025.02.10 09:00

クルスク州の反攻、陰に「ウクライナ版SEALs」 状況は予断許さず

Shutterstock.com

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ウクライナ軍が侵攻しているロシア西部クルスク州で、ウクライナ軍の機械化部隊がロシア軍と援軍の北朝鮮軍の「作戦休止」に乗じて反攻に出てから2日後の8日現在、攻撃を先導する部隊は以前の陣地線から5kmほど東のファナセーエフカ村一帯で新たな陣地を保持している。

ロシアが引き起こして3年近くたつ全面戦争の戦線では、ドローン(無人機)が四六時中いたるところを飛び回り、両軍とも現代的な装甲車両が不足している。それだけに、1日で5kmという前進は驚異的だ。これほど遠くまでこれほど速く進軍するために、ウクライナ軍はロシア軍による最も成功した攻撃と似たような戦術を用いつつ、独自のひねりも加えたようだ。

ウクライナ軍の歩兵部隊がファナセーエフカで持ちこたえられるかは予断を許さない。村の外れの林にあるその陣地は、2日にわたってロシア軍のドローンや大砲による攻撃を受けている。ロシアのある軍事ブロガーは、エストニアのアナリストのWarTranslatedが英訳して紹介している投稿で「敵をすみやかに押し出すチャンスはまだある」と書いている。

ウクライナ軍はおおむね、ロシア軍がよくやるような仕方で5kmの前進を遂げた。まず敵の防御線を探って脆弱な箇所を見つけ出す。そして、そこを装甲車両などで素早く突破し、新たな陣地に歩兵を送り込む、というものだ。ウクライナ軍が前進したエリアの支配を固められるかどうかは、ロシア軍による反撃を防御できるほど早く追加の歩兵を送り込めるかにかかっている。

同じ軍事ブロガーは、ウクライナ側はファナセーエフカなどの支配を固めれば「戦果を拡張するために新たな攻撃を試みる可能性がある」と警告している。

歩兵が先導し、機動的な車両が支える「偵察のち突撃」というこの戦術は、全面戦争の2年目以降にロシア軍が洗練させた。背景には、ウクライナ軍の地雷や大砲、対戦車ミサイルのために、ロシア軍の大規模な機械化強襲は自殺的なものでもなければ遂行困難になったという事情がある。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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