UBSのアナリスト、カール・キーアステッドは、22日の顧客向けメモで、スターゲートの取り組みが、汎用人工知能(AGI)の実現を目指す競争においてOpenAIを有利にすると述べた。彼は、「OpenAIは、マスクが支援するxAI(エックスエーアイ)やグーグル、メタ、アマゾンが支援するAnthropic(アンソロピック)などと競合している」と指摘し、「このプロジェクトによって、OpenAIは長期的に競争に勝つための有利なポジションを獲得する」と述べている。
マスクとアルトマンの確執
マスクによるスターゲートへの反発は、アルトマンやOpenAIとの激しい確執から生じている可能性が高い。彼は、2015年に非営利団体としてOpenAIを共同設立したが、2018年に離脱し、その直接的な競合となるxAIを立ち上げた。マスクは昨年、OpenAIを提訴したほか、10月のタッカー・カールソンによるインタビューでアルトマンを「信用できない人物」と非難している。一方、アルトマンも12月のインタビューでマスクの発言がいじめだと批判した。マスクのxAIの評価額は、直近の調達ラウンドで500億ドル(約7兆8200億ドル)とされたが、OpenAIの評価額は、その3倍以上の1500億ドル(約23兆5000億円)以上とされている。
しかし、マスクが批判するスターゲートには、マスクの親しい仲間でメンターでもあるエリソンも関与している。「ラリー・エリソンはすばらしい」とマスクは、11月にエリソンが自身のことを「友人」と呼んだ動画に返信し絶賛していた。
スターゲートに参加する企業の株価は22日に上昇した。ソフトバンクの株価は東京市場で一時11%上昇し、オラクルは7%高、エヌビディアも5%高、ソフトバンク傘下のARMホールディングスも15%高を記録している。
(forbes.com 原文)