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北米

2025.01.21 11:30

中国副主席がイーロン・マスクと会談、「経済協調」呼びかけ

2025年1月20日、ワシントンD.C.の連邦議会議事堂で行われたドナルド・トランプの次期大統領就任式に出席した中国の韓正副主席(Shawn Thew - Pool/Getty Images)

2025年1月20日、ワシントンD.C.の連邦議会議事堂で行われたドナルド・トランプの次期大統領就任式に出席した中国の韓正副主席(Shawn Thew - Pool/Getty Images)

中国の韓正(ハン・ジョン)国家副主席は1月19日、訪問先のワシントンでイーロン・マスクを含む米実業界の有力者との会合を開いたと中国国営メディアが報じた。この会合は、マスクが次期トランプ政権と中国の高官の間で橋渡し役を果たすことになるとの憶測をさらに強めることになりそうだ。

国営新華社通信によれば、ハン副主席はマスクとの会談で、テスラを含む米国企業が「中国の発展の成果を共有する機会」に参加するよう呼びかけたほか、米国企業が2国間の経済・貿易関係をより緊密にするために「より大きな貢献」をするよう求めたという。

マスクは、この会談についてまだコメントしていないが、新華社通信によると彼は、ハン副主席に対し、テスラが中国への投資と協力関係を深める用意があると伝えたほか、「米中間の経済・貿易の交流の促進」に前向きな役割を果たす意向を示したという。

ハン副主席は、今回の訪問でマスク以外にも、米中経済評議会や米国商工会議所を含む、米国のビジネスコミュニティの代表者らと面会したと報じられている。

マスクが経営する電気自動車(EV)メーカーのテスラにとって中国の市場と製造基盤は、きわめて重要だ。テスラの昨年第3四半期の売上高252億ドル(約3兆9300億円)のうちの約4分の1の57億ドル(約8900億円)が、中国市場からのものだった。また、テスラの年間製造キャパシティの235万台のうちの40%を上海工場が占めている。

さらに、中国で他の新興EVメーカーとの競争に直面するテスラが「フル・セルフ・ドライビング(FSD)」と呼ぶ運転アシスト機能は現在、中国当局の承認待ちの段階にある。マスクは昨年、中国を訪れて同国のナンバー2の李強首相と面談し、この承認を推進するよう依頼したと報じられている。

一方、ブルームバーグとウォール・ストリート・ジャーナルは先週、中国政府の当局者らがTikTokの米国事業をマスクに売却することを検討していると報じた。しかし、TikTokの親会社のバイトダンスは、この報道を「完全なつくり話」として否定した。アナリストは、このような買収のコストが400億〜500億ドル(約6兆2000〜7兆8000億円)規模になると予測している。

TikTok買収にもマスクが関与説

米国ではTikTokを禁止する法律が19日に施行され、アプリが一時的にオフラインとなった。しかし、トランプが禁止を停止する意向を表明した後に、アプリは再びオンラインに戻った。次期大統領は、米国が「多くの利益を生むことになる合弁事業」として、同社の50%を所有することになる支持者に対して述べた。この計画にマスクが関与するかどうかは不明だ。

トランプは先週、自身のSNSのトゥルース・ソーシャルに「私は、中国の習近平主席と話をしたばかりだ。この通話は中国と米国の双方にとって非常に良いものだった」と投稿した。彼はさらに、「多くの問題を即座に解決できることを期待している。私たちは貿易やフェンタニル、TikTokなどの多くの問題について話し合った。習主席と私は世界をより平和で安全なものにするためにあらゆる努力をするだろう」と続けた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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