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ビジネス

2025.01.22 14:15

シリコンバレーのデカコーン企業で8年間幹部として働いてきた中で学んだ6つのこと

その5:適時適材適所の専門性を極めたプロ集団

リップルは、暗号理論の専門家やウォール街の金融エキスパート、米国政府出身の法規制の専門家など、専門化されたスキルを持つプロ集団から構成されていた。日本の大企業のように、ローテーション制度で、全く経験がない人が重要な仕事にアサインされることはほぼ無かった。経験豊富なプロなのでもちろん高い報酬を要求するが、一方で、専門性が高いからこそ、ダイナミックに変化し続ける組織のどの局面で、どんな角度で自分が貢献できるかをわきまえていた。そのため、2〜3年で自分の役目は終わったと去っていく人も多く、人材の流動性は高かった。しかし、だからこそ、その時々でベストな布陣で高いパフォーマンスを発揮できていたといえる。

その6:Web3企業で働く醍醐味

リップルはWeb3企業の先駆け的な企業である。ブロックチェーンを活用した金融ソリューションを提供する事業と並行して、XRP Ledgerというパブリックブロックチェーンの継続的なオープンソース開発とコミュニティ支援を行っていた。そしてこのXRP LedgerコミュニティはWeb3業界の中でも特に活発で熱量が高いコミュニティとして知られていた。そのため、従来の「従業員vs.雇用主」という枠を超えた、「コミュニティX 会社 X 自分」という、より多次元の世界の中で仕事をすることができ、これまでの職業観が完全に覆された感覚を覚えた。この多次元性によって、私のリップルでの経験はより充実していてやりがいがあるものとなった。ビジネスの課題に取り組む中で、その背後のコミュニティが常に応援してくれる環境は、まさにWeb3企業で働く醍醐味とも言えるだろう。それがあったからこそ、一四半期が通常の業界の1年間に相当すると言われる非常に濃厚なWeb3業界で8年間走り続けてこられたのだと思う。

リップルでの8年間は、シリコンバレーのデカコーン企業、かつ先端のWeb3企業ならではの貴重な経験だった。この経験を通じて、世界を変えるレベルの仕事をするため必要なさまざまな必要要素を学んだ。

日本においてはデカコーンどころかユニコーン(企業評価額が10億ドル以上の未上場企業)の数もシリコンバレーから大きく遅れをとっているが、これは何もビジネス機会の有無だけではない。その大きなビジョンを支えるエコシステムと変革を推進する人間のマインドセットが何よりも重要であると身をもって学んだ8年間であった。

文 = 吉川絵美

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