暗号資産

2023.11.29

韓国のWeb3業界最前線!韓国のWeb3ビジネスはどこへ向かうのか?

毎年恒例のイベント「Korea Blockchain Week 2023」の様子 Courtesy of the Author

韓国のWeb3業界最前線をひも解くコラムの後編では、Web3ビジネスにスポットライトを当てる。いま、どのようなユースケースが注目を集めているのだろうか? 韓国のWeb3スタートアップと大企業の動向は? 前編に続き、Web3コンサルティングファーム「Catalyze Research」の最高戦略責任者Josh Kim(ジョッシュ・キム)氏を招き、韓国におけるWeb3業界最前線について聞いた。



吉川絵美(以下、吉川):2023年9月初めに毎年恒例の「Korea Blockchain Week (KBW)」が開催されました。参加されてみていかがでしたか。何か新しいトレンドが見受けられましたか?

ジョッシュ・キム(以下、キム):23年は世界中から約6,000人の参加者がKBWに参加しました。22年に比べて参加者数は少し減ったものの、韓国におけるWeb3に対する興味・関心は衰えていません。韓国のWeb3は引き続き世界の関心を惹きつけています。今年、特に際立った点としては2つあります。

まず一つは、スキャマー(詐欺師)や日和見主義的な人の減少が挙げられます。ベア市場が続くにつれて、単に金銭的な利益のためだけにブロックチェーン分野にいた人たちが市場を去っています。これにより、技術に真剣に興味をもっている開発者たちが貢献し、活躍できる機会が拡大しました。

もう一つは、海外のベンチャーキャピタル(VC)の参加が増えたことです。北米における暗号資産の規制が厳しくなったことで、北米以外での新たなディールフローを探しにKBWに参加する海外のVCが増えました。米国の投資家がシリコンバレーを離れて韓国で投資機会を模索する現象はある意味異常で、ブロックチェーンや暗号資産業界における韓国の影響力の増大を意味するものです。

これらのトレンドは、Web3業界が数ではなく、質を重視する成熟した業界になりつつあることを示しています。スキャマーや日和見主義的な人の減少は、業界が投機的なものから、本物のイノベーションや価値創造により焦点を当てるものに変わってきていることを示唆しています。
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文=吉川絵美

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