広告では「このサプリは日本でものすごく流行っていて、これを飲めば便がドバドバ出てくるので一気に痩せられる」となっている。さらに、それを飲んで痩せた人たちの「Before/after」まで掲載されている。
サプリのパッケージは、パッと見は日本の「キャベジン」にもよく似ており、会社名は「そうこう」、サプリの名称は「インビテキシン・ダイエット」だ。箱には日本語で「インビテキシン」と書かれているのだが、ハングル表記では「イソビテキシン」となっているのが、とても胡散臭い。
YouTubeでも、或るインフルエンサーが「2000年代に日本の健康機能食品ダイエット部門で1位だったこの商品がついに韓国内に上陸した」とコメントしている。そこで、日本の楽天やアマゾンでの売上ランキングを調べてみたが、「そうこう」の商品は見当たらなかった。
外国製品に対する一種の憧れか
日本のeBay Japanが運営するネット通販サイト「Qoo10(キューテン)」では、インビテキシン・ダイエットは「韓国サプリ」「韓国ダイエット」のキーワードで紹介されている。しかも発送国は韓国となっている。また、韓国のネットでは日本での販売価格が2万1000円のところを韓国では10万9000ウォンにするとしているが、Qoo10 サイトでは1万500円だ。「イソビテキシン・ダイエット」の公式サイトで製品紹介を見ると、製造元は韓国の中堅会社で、この会社は韓国の株式市場に上場もしている。販売元も韓国の株式会社である。
調べてみると、前述の「そうこう」という会社は、2007年に設立されており、沖縄に本社を置く未上場会社で、輸入代行をする会社だ。しかし、イソビテキシン・ダイエットはどうみても日本から韓国へ輸出したのではなく、韓国発信の健康食品ということになる。
ネットの広告で、日本で流行ったということを強調するのは、日本の製品に対する信頼度が高いせいかもしれない。このように韓国内ではいまでも外国製品に対する一種の憧れがあるのだろう。
日本でも、最近、韓国のコスメなどがよく売れていて、それは韓国アイドルに対する憧れによるものだと思われる。日本の女子は、韓国の女子がきれいな肌をしているから韓国のコスメを買うようだが、韓国ではまた日本の女子が痩せていることでダイエットサプリを買う人がいる。
どちらも、理由もはっきりしない幻影に惑わされていると言ってもよい。どの国でもきれいな人はきれいなのに、何となく国に対するイメージで評価してしまうようだ。