韓国の公式販売サイトを見ると、「ついに、関節、韓国公式モールローンチ!」と書かれており、「かんせつ上」「かんせつ下」を持っている着物姿の老女と老人の写真が出ている。かんせつに関しての説明は一切ない。後に説明するが、これはすでにクレームを受けた販売元が書き換えたものだ。
公式サイトには、「効果がいい」という1000を超える購入レビューもあったが、SNS上ではすでに消費者を中心に「ドン・キホーテや日本のドラッグストアで、かんせつ上が売られているのを見たことがない」ということで疑問視されていた。
確認の結果、かんせつ上の製造元は韓国の会社であった。製品表示にあるHACCP認証もまた輸入製品ではなく韓国内で製造される製品に入るものであった。
韓国の食品医薬品安全処という国家機関が運営する輸入食品照会サイト「輸入食品情報マル」で、「イソビテキシン・ダイエット」、「かんせつ」または「かんせつ上」「Kanse-tsu」に関する検索をしてみたが、何も表示されなかった。有名な日本の関節薬として知られている「かんせつ上」「かんせつ下」が、実は韓国で製造、販売されている純粋な韓国製品であったのだ。
消費者からのクレームによって騒動になると、広告や公式サイトでは、日本語のコピーを韓国語に変更した。また、ホームページで「日本の関節博士が直接開発した韓国初の輸入関節薬、ついに上陸韓国初の輸入日本1位の関節薬かんせつ」という宣伝コピーも削除した。
韓国の暴露系ユーチューバーである「死亡キツネ」は、この会社はこれまでも同じような手口でダイエットサプリを販売していることを暴露した。「トックスウェル」というダイエットサプリをイタリアのドラッグストアで買っているような動画や写真を広告で使っていたが、実際その薬局に行ってみると、そんなサプリは販売しておらず見たこともないという店員の回答であったという。
ダイエットサプリは特性上、効果がなくても自分のせいにすればおしまいだが、関節サプリは親孝行のつもりで親に買ってあげた人が多く、効能に問題があった場合は被害が多くなりそうだ。
前述したが、関節薬といっている割には固形茶で、一般食品に当たる。一般食品は医薬品や健康機能食品とは異なり、食品医薬品安全処の検証を免れる。
だが、食品医薬品安全処の関係者は、「韓国内で製造した製品をもし輸入品のように広告した場合、虚偽または誇大広告であり、食品表示広告に対する法律に基づいて処罰、または告発処置される可能性がある」という。
最近外国産というと中国産が多くなり、韓国でも中国産は忌避する傾向が強いが、日本やヨーロッパなどの外国産についてはいまだに憧れと何となく良さそうという思いも相まって、騙されてしまう人も多いようだ。