パッケージには「固形茶」と
ダイエットサプリの次に韓国のSNSでよく見かけるこの手の広告は「関節薬」だ。韓国の人が日本へ行くと必ず寄ると言われる「マツモトキヨシ」、このチェーンでの最近人気のおススメとして、某女性ユーチューバーがこの「関節薬」を紹介している。「効果がすばらしくて、日本では1秒に3箱も売れている」として、日本の国民的な関節薬だという。
その関節薬の箱には男性の笑顔が写っているが、その男性は日本で有名な博士で、この関節薬もこの人物が開発したものだとしている。そして、この関節薬を飲むと膝の痛みから腰、肩、手首の痛みが一瞬でなくなり、この薬については日本でも報道されたと紹介されている。
広告に載っている箱を見ると、表面に博士と言われるイケオジ風の男性がにっこりと笑っており、その上には「かんせ」と書かれている。「かんせ」には「かんせ上」と「かんせ下」がある。日本語では「かんせ」までしかないのに、ハングル表記は「かんせつ」、ローマ字表記は「Kanse-tsu」となっている。
そして、広告ではこのブランドが韓国でも公式にローンチされたというのだ。しかし、こんなにも有名で、マツモトキヨシでも売られているはずの製品が、日本のアマゾンや楽天では検索されない。ヤフージャパンにも製品情報が出てこない。
さらに、SNSでは、「かんせ」を日本で探し求めてやっと購入したという動画が投稿されているが、写真には商品棚に「かんせ上」と「かんせ下」の箱が1つずつあるけれども、値札のところに「かんせ」の値段がでていない。
また、あるブログでは、日本で「かんせ」を買ったと言い買い物かごの写真を載せているが、その箱をよくみると、「消費期限。。。。まで」を意味するハングル文字が書かれている。
この関節薬に関しては、すでに日本でも偽物であると報道されているが、1つずつおかしな点を挙げてみる。
まず、最初に紹介したユーチューバーの動画は、2023年12月に撮影された「Sallykim7」というハンドルネームのものだ。元の動画は、彼女がマツモトキヨシでアイライナーを見ながらショッピングをしているだけのものだ。だが、広告の動画では彼女がアイライナーを見ている場面や渋谷の街を映している映像のなかに関節薬を入れ込んで編集していると思われる。
また、有名な博士が開発したと広告しながら、イケオジ風の男性の顔写真を掲載しているのだが、この人物は博士などではなく、写真はゲッティイメージズ(Getty Images)にあるモデルのものであった。
そして、「関節薬」と謳っているわりに、パッケージには「固形茶」と記されており、医薬品ではない。